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地球学コース山田昌樹助教らの研究グループが、2019年に千曲川で発生した堤防決壊について、現地調査および水路実験による2件の研究成果を発表しました。

2023年12月22日

【概要】
 理学科地球学コースの山田昌樹助教らは,2019年に長野県の千曲川で発生した堤防決壊に伴うクレバススプレー堆積物について現地調査および水路実験を行い,2件の研究成果を発表しました. 洪水発生直後に実施した現地調査では,堆積物の分布特性や堆積構造,人工堤防の内部構造から,堤防の決壊プロセスと堆積物の形成プロセスを詳細に明らかにしました.また,砂質と泥質のクレバススプレー堆積物の分布範囲(決壊した堤防からの分布距離)に大きな違いがあることを明らかにし,地層に残されたクレバススプレー堆積物から過去の堤防決壊イベントの規模を推定する上で,泥質クレバススプレー堆積物の分布を正確に決定する必要があることを示しました.本研究成果は,SPRINGERが発行する英文誌Natural Hazardsに8月8日付で掲載されました*1

 また,野外調査で取得したクレバススプレー堆積物のデータを用いて水路実験を行うことにより,クレバススプレーの発達過程を解明しました(加藤汰一,2020年度卒業論文).条件を変えながら繰り返し実験を行った結果,クレバススプレーは形成初期には非対称の形状を示すのに対して,次第に左右対称な形状を示すようになることが明らかになりました.また,クレバススプレー堆積物が異なる2つの領域で発達することが分かり,その要因が土砂の輸送プロセスと関連していることも明らかにできました.これらの知見は,クレバススプレー堆積物の特徴が地形の発達段階によって異なることを示しており,堆積相を解釈するための基礎となると考えられます.本研究成果は,SEPM(国際堆積地質学会)が発行する英文誌Journal of Sedimentary Researchに11月29日付で掲載されました*2

【論文タイトル】
1 Features of crevasse splay deposits and sedimentary processes associated with levee breaching due to the October 2019 flood of the Chikuma River, Central Japan
2 Flume experiments in the development of crevasse-splay deposits: Transition from asymmetric-to-symmetric geometry

【著者】
1 Masaki Yamada(信州大学),Hajime Naruse(京都大学),Yugo Kuroda(信州大学,2020年度卒業),Taichi Kato(信州大学,2022年度修了),Yuhei Matsuda(信州大学,2019年度卒業),Tetsuya Shinozaki(国立歴史民俗博物館),Tetsuya Tokiwa(信州大学)
2 Taichi Kato(信州大学,2022年度修了),Masaki Yamada(信州大学),Hajime Naruse(京都大学),Yuichi Sakai(宇都宮大学)

【URL】
1 https://link.springer.com/article/10.1007/s11069-023-06122-7
2 https://pubs.geoscienceworld.org/sepm/jsedres/article-abstract/93/11/825/627618/FLUME-EXPERIMENTS-IN-THE-DEVELOPMENT-OF-CREVASSE?redirectedFrom=fulltext


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