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  • 生物学コース4年生(研究当時)の菅家恵未さん(東城研究室)らの研究グループが、八重山地域の西表・石垣島の2島に固有のコナカハグロトンボの遺伝構造を明らかにしました。

生物学コース4年生(研究当時)の菅家恵未さん(東城研究室)らの研究グループが、八重山地域の西表・石垣島の2島に固有のコナカハグロトンボの遺伝構造を明らかにしました。

コナカハグロトンボはアジア地域に広く分布するミナミカワトンボ科 Euphaeidae に属し、分布地域から中国の大陸部から台湾を経由して西表島や石垣島へと分散したと考えられてきました。今回、菅家さんらは分岐年代の推定を行い、八重山(西表・石垣)のコナカハグロトンボと台湾のナカハグロトンボの種分化は約140万年前と、沖縄トラフ形成(約155万年前)などの地史と概ね合致することを明らかにしました。これは前述の進化史を遺伝子解析の結果から支持するものとなります。

「奄美・沖縄」地域は、高い固有性やユニークな進化史を遂げた生物種が数多く生息しており、2021年7月に世界遺産として正式登録される見込みです。本研究では、西表・石垣のコナカハグロトンボにおける極めて高い遺伝的多様性が明らかにしたことで、この地域の生物相の重要性に関する知見を追加するものと考えられます。
【掲載誌】
Biological Journal of the Linnean Society

【論文タイトル】
Unique population genetic structure of two closely related euphaeid damselflies in the Yaeyama and Taiwan Islands (Odonata: Euphaeidae).

【著者】
Emi KANKE, Kohei SUZUKI, Kazuki SEKINE, Tomoya SUZUKI, Kokichi HATTA, Man-Miao YANG and Koji TOJO
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