化学コース 二村竜祐 助教が 「令和元年度日本吸着学会奨励賞」を受賞しました。
2019年12月16日

日本吸着学会研究発表会において、奨励賞を受賞!
2019年11月14-15日に名古屋大学で開催された第33回日本吸着学会研究発表会において、理学科化学コースの二村竜祐助教が奨励賞を受賞しました。受賞対象となった研究は、「ナノ空間で同種イオンが形成する超イオン状態の解明と電場印加in-situ X線散乱測定法の開発」です。
日本吸着学会奨励賞は、授賞年度において45才未満の正会員および維持会員である企業等に所属する者を対象に、研究分野の広がりを考慮して毎年3名程度を表彰する学会賞です。
2019年度学会賞受賞者のお知らせ(日本吸着学会へのリンク)
日本吸着学会奨励賞は、授賞年度において45才未満の正会員および維持会員である企業等に所属する者を対象に、研究分野の広がりを考慮して毎年3名程度を表彰する学会賞です。
2019年度学会賞受賞者のお知らせ(日本吸着学会へのリンク)
概要: 受賞者はこれまでに、多孔性材料の有するナノ空間における分子集団の特異な構造や相挙動についてミクロな手法により明らかにしてきた。その中でもナノ空間における電解液の振る舞いの研究は、次世代のエネルギー貯蔵デバイスとして期待される電気二重層キャパシタの充放電メカニズムの解明につながるだけでなく、ナノ空間におけるイオン間相互作用という点で基礎科学的にも価値が高い。最近の受賞者の研究では、X線散乱測定と分子シミュレーションを組み合わせた手法であるハイブリッドリバースモンテカルロ(HRMC)法により、多孔性カーボンの有する単分子層サイズのナノ空間に閉じ込められたイオン液体が形成する、同種イオンの稠密状態を明らかにした。さらに電場印加状態でX散乱測定が可能なin-situ X線散乱測定セルの開発により、長年困難であった電場印加によるカーボンナノ空間へのイオンの吸脱着挙動を直接捉えることに成功した。本手法は、多孔性材料の有するナノ空間での電気化学反応の研究などにも応用でき、ナノ空間科学のさらなる発展に寄与する重要な研究である。