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生物学コース東城幸治教授の研究室の研究成果をまとめた論文が Entomological Science Award 2021を受賞しました。

生物学コース東城研究室の研究成果をまとめた論文が Entomological Science Award 2021を受賞しました。修士課程を卒業した鈴木浩平さんが中心となり、西宮市のトンボ研究家・渡辺庸子さんと共同で実施した西表島・石垣島のコナカハグロトンボを対象とした発生学的研究の成果をまとめた論文が、2020年内に同誌に掲載された全論文の中から優れた論文2報に選考されました。
写真1:受賞の賞状をもつ東城(左)、鈴木浩平さん(右上)、渡辺庸子さん(右下)

写真1:受賞の賞状をもつ東城(左)、鈴木浩平さん(右上)、渡辺庸子さん(右下)

世界のトンボ類の中で、2つの科だけが腹部に体節的な鰓構造をもち、この起源についてはよく理解されずにおりました。国内では西表島・石垣島だけにこのグループのトンボが生息することから、渡辺さんの協力を得て受精卵を確保し、組織化学的手法や走査型電子顕微鏡を駆使した胚発生過程(鰓構造の形成過程)の詳細な観察により、この構造は付属肢と相同であることを究明しました。昆虫の付属肢は、歩脚・鰓・翅の進化に深く関わる重要形質ですので、この議論を進展させたことが評価されました。
写真2:コナカハグロトンボの胚発生過程の概略(論文のFigureから)。厚く頑丈な卵殻を特殊な薬品で除去し、卵膜に小さな穴を穿孔して固定した後に、DNAを特異的に蛍光染色するDAPI試薬にて染色した胚形成プロセス。

写真2:コナカハグロトンボの胚発生過程の概略(論文のFigureから)。厚く頑丈な卵殻を特殊な薬品で除去し、卵膜に小さな穴を穿孔して固定した後に、DNAを特異的に蛍光染色するDAPI試薬にて染色した胚形成プロセス。

発生過程を詳細に追跡できるようになったことで、形態形成に関わる遺伝的基盤の究明にも迫ることができるようになりました。発生遺伝学的発展も期待されています。

なお、この論文は2021年12月末まで、以下のサイトからフリーアクセスとなっております。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/ens.12421

受賞に関する学会HP
http://www.entsoc.jp/award/

受賞対象論文
Suzuki K, Watanabe Y and Tojo K (2020) Embryogenesis of the damselfly Euphaea yayeyamana Oguma (Insecta: Odonata: Euphaeidae), with special reference to the formation of their larval abdominal ‘gill-like’ appendages. Entomological Science, 23: 280-293
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