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生物学コースの竹中將起特任助教が、「日本陸水学会 第87回大会 (大分)」において「最優秀口頭発表賞」を受賞しました。

2023年10月16日
2023年10月10日12-15日、J:COM ホルトホール大分で開催された「日本陸水学会第87回大会」において、理学部生物学コースの竹中將起特任助教が最優秀口頭発表賞を受賞しました[52件の口頭発表のうち(審査対象:24件)、最優秀賞1名、優秀賞2名、優秀発表賞(未来開拓枠)(学部・修士対象)2名が受賞]。受賞題目は以下の通りです。

【受賞題目】
「昆虫類汎用プライマーMtInsects-16Sを用いた環境DNA解析の有効性」
竹中將起(信州大・理)・長谷部勇太(神奈川県環境科学センター)・谷野宏樹(基生研)・岡本聖矢(土木研・東城幸治(信州大・理)
【概要】
河川や湖などで水を汲むだけで、水を汲んだ場所に生息する生物群集を網羅的に把握することができる環境DNA研究は、世界的に注目されている。すでに魚類では、世界中で多くの研究機関などで行われている。環境DNA解析には、対象分類群に汎用性の高いPCRプライマー(DNAバーコーディング領域を増幅するための遺伝子マーカー)の設計が必要であり、魚類や哺乳類、両生類などでは汎用性プライマーが設計され、多用されている。しかし、昆虫類は大きく遅れていた。

そんな中で、昆虫類での従来手法の問題点を精査し、その課題を改善する新規DNAバーコーディング領域をmtDNA16S
rRNA領域に提案し、ほぼすべての昆虫類で汎用できるPCRプライマーを設計することに成功した。また、このPCRプライマーを用いて、実際に神奈川県内の河川で水を汲み環境DNA解析を実施した結果、これまでに報告されているものより、検出力や精度が高かった。特に、実際の採集調査により採捕された種リストのほぼ全てを検出することに成功し、生物多様性を評価するための長期的なモニタリングや、広範囲における同質的な手法による調査に高く期待できるものとなる。

これらの成果を、生物学のみならず、化学分野や物理分野などの多岐に渡る研究者がいる中で、わかりやすくその成果を報告したとして高く評価された。
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