受験生向け研究紹介

鈴村 明政

理学科 地球学コース 地球物質科学分野

隕石から生体鉱物まで適用可能な地球化学分析の開拓

研究内容
 元素や同位体の存在度・分布・変化といった「化学」を用いて、地球内部から表層、太陽系の様々な現象を明らかにすることを「地球化学」と言います。 私は、この地球化学的手法を駆使し、太陽系最初期の環境と物質進化を理解するため、隕石の同位体や微量元素分析を行っています。また、鉱物やガラス中の含水量・水素同位体分析により、地球内部での水の動態の解明を目指しています。さらに、生物が作る鉱物を対象にした安定同位体分析と微量元素分析を活用し、魚類の回遊履歴復元や海域判別も行っています。地球惑星科学に加え、環境学や水産学に貢献する新たな分析システムの開発にも取り組んでいます。
隕石に含まれる耐油系最古の岩石のX線合成画像
スルメイカに含まれる生物源炭酸塩(平衡石)の光学顕微鏡画像
研究から広がる未来
 固体物質中の化学的なデータを用いて、太陽系における過去からの物質進化と現在の地球における物質の循環を明らかにすることで、将来の地球環境変遷の予測につながります。また、新たな分析手法を開発することは、これまで捉えることができなかった原理・原則を明らかにし、地球学だけでなく工学・農学・医学など広範な分野に貢献できます。
卒業後の未来像
 本年度からの新しい研究室ですが、地球化学分析を通じて、どのようにデータが出てくるのかを理解して、「正しく」データを取り扱い、結果を解釈できるようになってもらいたいと考えています。
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