受験生向け研究紹介

森 宏

理学科 地球学コース 地球物質科学分野

地球内部の探求

研究内容
普段何気なく目にする岩石には、直接観察することが困難な地下深部の貴重な情報が記録されています。地下数km〜数十kmで形成された変成岩・堆積岩・断層岩などを対象として、野外や顕微鏡下といった様々なスケールでの観察に基づく地質構造解析とともに、ラマン分光分析装置などを使った岩石試料分析、さらにはコンピュータ上でのシミュレーションによる温度・圧力条件などの定量評価を行い、「岩石が地下深部からどのように上昇してきたのか?」、「現在の地球内部では何が起こっているのか?」といったことを地表に露出する岩石から探る研究に取り組んでいます。
野外調査風景
[左] 愛媛県(三波川帯)、[中央] チベット、[右] 長野県(中央構造線)
室内分析 
[左] 顕微鏡下での褶曲構造解析、[中央] 炭質物のラマン分光分析、[右] マグマ周辺の温度シミュレーション
研究から広がる未来
我々の生活にも大きな影響を及ぼす地震活動や火山活動は、地下深部での断層運動やマグマ発生に起因します。ただし現在の地下深部を直接観察することは出来ません。地表に露出する岩石は、かつて長期間にわたって地球内部(地下深部)で発生した現象の情報を記録しているため、岩石の研究は、深部物質の観察や長い時間を要する変形や熱の影響検証が可能であり、さらには将来起こりうる現象の長期予測にもつながります。
卒業後の未来像
野外調査、室内分析、学会発表などを通して、専門的な知識・技術を身に付けるとともに、論理的な考え方・積極性・コミュニケーション能力などを養い、社会で幅広く活躍してもらいたいと考えています。
学生の研究風景
[左上] 野外調査、[左下] 野外でのグループ調査、[右上] 薄片作成のための岩石切断、[右下] 研究発表
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