理学部長あいさつ

信州大学 理学部長 吉田 孝紀

信州大学 理学部長 吉田 孝紀

 人生は「答えのない問題」の連続です。高校までの学びでは「答えが明快な問題」に取り組んでこられたと思います。しかし、研究や社会での活動では「答えのない問題」に対応することを常に求められます。思い込み・先入観・自分の欲求・他人の欲求と物事の因果関係や根拠を明確に分け、自分を納得させる技術や考え方が必要となります。

 それでは、そんな力はどうやれば身につくのでしょうか?おそらく、ひたすら「なぜ」を繰り返して考えることと思います。講義で教わったこと、教科書に書いてあること、実験で得られたデータ、それらにも容赦なく「なぜ」を繰り返して、その事象を引き起こした要因を繰り返し探ることが重要です。さらには、これを「腑に落ちる」ところまでやっていくこと、が新しい発見を生み出す原動力となるはずです。
 理学部ではこのような「なぜ」を繰り返すことをすべての学生さんに求めています。理学部での学びは、物事を「教わる」という受動的な姿勢から、「なぜ」を通じて能動的に問題を解決してゆく姿勢に皆さんを変化させるでしょう。

理学部の教育にはもう一つの特徴があります。それは、教員・大学院生との距離が非常に短いことです。それぞれのコースの定員が少ないため、少人数で双方向のやりとりが可能です。演習や実験・実習においても、密接に意見交換ができることが特徴です。このような少人数の議論は「なぜ」を一緒に考え、追求する場となります。その中で、様々な意見を知り、自分の考え方の幅を広く育てることが、将来とても役立つものとなります。

 このような環境は、高校以前の学びや就職後での学びではほとんど得られない特別な場です。加えて、信州は自然にも恵まれ、じっくりと「なぜ」を追求するには最適の場所です。かけがえのない大学での学びを、ぜひ信州の地で深めてください。
MENU