Pick up! 研究紹介:高橋 史樹

Q. 高橋先生の研究の目的を教えてください。

Pick up! 研究紹介動画 ~微量薬毒物分析のための測定手法の開発を目指して~

Q1. 高橋先生の研究の目的は何ですか?
A1.  微量薬毒物分析のための簡便な濃縮分離・検出技術の開発を目標に研究を行っています。


Q2. 具体的には,どのようなことを調べているのですか?
A2. ものを「測る」ということは,「何が」,「どれだけ」あるのかを見つけ出すことです。私は,この「測る」ということ自体に興味があり,血液などの生体資料中に含まれている医薬品などの成分の量を調べるための方法の開発に取り組んでいます。ただ,この「測る」ことは意外に難しくて,試料に含まれている成分を「分離」して「検出」する必要があります。研究室では新しい「分離」の方法として,高周波やマイクロ波を利用した毛髪や爪からの薬毒物を抽出するための方法や,超音波を利用した農薬の分離分析法を提案しています。また,簡便な「検出」技術として,金属ナノ微粒子の色調変化を利用した農薬成分の検出や,電気化学発光と呼ばれる手法を利用した規制薬毒物の検出方法を提案しています。


Q3. この研究でわかることは,最終的にどこにつながっていくのでしょうか?
A3. 研究室では,現在は農薬や医薬品の分析法の開発を行っていますが,いくつかの成分は所持や使用に制限のあるものもあります。それらの成分は普段の社会生活に影響を与えることもあるため,正確に「測る」ことが必要です。主に,法科学と呼ばれる領域となりますが,新しい分析方法を開発することで科学捜査の適用範囲の拡大を目指して研究を進めています。


Q4.最後に,今後の見通しを教えて下さい。
A4. 理学部の研究は,反応機構などの基礎的な知見を獲得することがメインとなるので,実際の分析方法へ応用するためには時間が必要です。しかし,逆に基礎的な知見に基づいて得られたデータは理論的に裏付けされているため,信頼性の高い結果となると思います。現在のところ,いくつかの麻薬成分の検出法を提案しており,数年の単位で分析デバイスとして使えるように試みています。

Q. 学生さんに聞きました! 「どんな研究をしているんですか?」①

A. 規制薬毒物の新しい分析法の開発を行っています。

動画で紹介した装置以外にも,分析手法の開発を進めていくための様々な装置を使っています。

Q. 学生さんに聞きました! 「どんな研究をしているんですか?」②

A. 微量薬物を検出するセンサーの開発を行っています。

身近にあるものをうまく使って装置の開発をしていますね。学生のアイデアが研究成果に随所に活かされています。

本研究成果で受賞しました!

Q. 高橋研究室に配属されたらまずやることは?

A. 分析の方法を学ぶために,川の酸素含有量を測定しに行きます。

自分で研究を進めていけるようになるため,まずは身近なところから。
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