Pick up! 研究紹介:飯山・二村研究室

Q. 研究の目的を教えてください。

Pick up! 研究紹介動画 ~ナノ空間に分子はどのように存在するのか?その謎の解明を目指して~

Q1. 研究の目的は何ですか?
A1.  例えば、皆さんは冷蔵庫とか靴箱の脱臭のために炭を使うことについて不思議に思ったことはありませんか。これは、炭が持つ非常に小さな孔の中(『ナノ空間』と呼びます)に『匂いの分子』が自発的に取り込まれることにより消臭されているわけです。このように多孔性物質が持つナノ空間には、分子を引き付ける不思議な能力があるのです。ただ分子は目に見えないので、皆さんは匂いがなくなったことで匂いの分子がいなくなったことに気が付きます。では、いなくなった匂いの分子がどうなったか気になりませんか。私たちは多孔性材料が持つ小さな孔の中に閉じ込められた分子の様子を、X線などを使って『見る』ことにより、『分子がナノ空間でどのように存在しているのか?』や、『どうやったら、より多くそしてより素早く分子を取り除けるのか?』などの研究をしています。

Q2. 具体的には,どのようなことを調べているのですか?
A2. 最近では、ナノ空間に閉じ込めたイオンに注目した研究を行っています。イオン結晶(塩)は融点が高く、数百度に加熱しても結晶構造を保ちます。しかしながら近年、イオン結晶と同じようにプラスとマイナスのイオンのみから構成されていながら、室温でも液体である「イオン液体」という新しい物質が合成され、注目を集めています。これは食塩水とは異なり、水を加えていなくても液体なのです。つまり純粋に「イオンのみからなる液体」です。我々はこのイオン液体をナノ空間に閉じ込めることで、イオン液体の新たな側面を見ることに成功しました。壁がカーボンで形成されたナノ空間では、イオン液体のクーロン力による規則構造が崩れるのです。クーロン力は非常に強い力であり、液体であるイオン液体でもプラスイオンの周りにマイナスイオンが近づいた規則構造を形成しています。それがナノ空間ではマイナスイオンの周りにマイナスイオンが近づけるのですから、いかにナノ空間が不思議な空間であるかということがわかるかと思います。

学生さんに研究室の装置を紹介してもらいました

一つのことを調べるためにも,非常に多くの装置が必要になりますね。

動画で紹介した装置以外にも,研究・開発を進めていくための様々な装置を使っています。

研究室のセミナーを体験してみましょう

研究室のある日のセミナーの様子です。

研究室では,学生が順番に自分の研究の進捗を発表します。動画を見て,とある日のセミナーを体験してみましょう。
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