受験生向け研究紹介
武田 貴志
理学科 化学コース 有機化学分野
分子運動に基づいた機能性有機分子集合体
研究内容
有機分子はその構造に由来した多様な運動を示します。一方で、有機分子を集めた有機分子集合体ではその運動は抑制されたり、運動の方向がランダムになることがほとんどです。分子を適切に設計すると、集合体での分子運動をコントロールできることがあります。
私たちの研究室では有機合成の手法を用いて「動的な有機分子集合体」を創製し、その機能性を調査しています。例えば分子の運動をそろえることで目に見える大きな応力を発現するアクチュエーターを、極性分子を外部電場によって反転させることでメモリー材料を作ることができます。

研究から広がる未来
有機反応の開発、有機分子の合成とともに有機分子集合体の構造制御とそれに基づく物性発現は有機化学の大きな研究課題です。有機分子の高い分子設計自由度から、有機分子集合体は新しい機能性を示す材料を提案できます。我々は基礎的な観点から、新しい機能を示す有機分子性材料を開発しています。それらが応用されることで、これまでにないような材料が創製されることが期待されます。
卒業後の未来像
卒業研究では、未知の研究を自ら進めることで、実験力、論理的思考力、問題発見・解決力、説明力など研究に必要な能力を深めていきます。卒業後は大学院に進学し研鑽を深め、化学系企業に就職し、研究者として活躍している方が多くいます。