受験生向け研究紹介

中野 健央

理学科 化学コース 有機化学分野

機能性材料を目指した新規π骨格の創製

研究内容

 人類の文明の進歩は、様々な「材料」の発展によって支えられてきました。特に近年では、従来の金属や無機材料とは異なる有機材料が活発に研究・開発されています。汎用元素から成る有機材料は、資源的制約が小さいだけでなく、「最新の有機合成技術に基づく一分子単位での精密な構造制御」によって、目標とする材料特性への綿密なアプローチが可能な点に魅力があります。
 その中でもπ共役化合物は、その構造(共役系)によって特異な電子的・光学的特性を示す興味深い化合物群であり、当研究室でも主な研究対象です。現在は特に、様々な複素環を構成単位とする非対称型の新規骨格(主にポルフィリンやホウ素錯体系の化合物)創製に注力しています。この戦略に基づき、「シンプルな構造でありながらユニークな光学特性を示す化合物」という、今後の材料開発のプラットフォーム確立を進めています。
研究から広がる未来

 上記内容で合成した新規骨格を基に、より具体的目標を持った機能性材料の開発を目指します。例えば、新たに合成した光機能性材料を光電変換システムに活用することで太陽光エネルギーの有効活用が可能となれば、化石燃料からの脱却に一歩近づきます。
 継続的に研究に取り組み、現代社会における課題となっているエネルギー・環境問題の解決へと貢献していきたいと考えています。
卒業後の未来像

 今年度より発足した研究室であるため、まだ卒業生はいませんが、現在在籍している学生は大学院へ進学予定です。引き続き、有機化学に関する高い専門性を有し、化学企業や教育界で活躍できる人材輩出を目指します。
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