あらゆる研究活動における公正性・倫理問題の

研 究

公正研究推進講座メンバーが外部資金を得て行っている研究(研究倫理・研究公正に関わるもの)をご紹介します。

研究テーマ

研究機関の研究支援ガイドラインの構築に関する国際調査研究(AMED研究公正高度化モデル開発支援事業)(2019-2021年度) 

研究代表者:野内玲、研究分担者:三宅雅人(奈良先端科学技術大学院大学)、村澤昌崇(広島大学)

本研究では医療系研究機関の研究風土(Research Climate)と研究支援の体制を調査しました。ここで「研究風土」は、研究機関のメンバーが公正な研究活動に関して行う組織的行為で形成されるものを指します。 本研究では、研究活動の国際情勢を動的に取り込んだ研究風土という点に着眼し、国内外の機関調査を通して研究支援者の支援体制のガイドラインの日本語版と英語版を構築しました。


本ガイドラインの作成のステップ

- 日本及び諸外国の研究倫理・研究公正文書や研究論文の調査

- アンケート&インタビュー項目検討のための予備調査

- アンケート&インタビュー項目の検討・作成

- アンケート&インタビュー実施のための研究倫理委員会審査

- webアンケートの実施、インタビューのため訪問orビデオ会議

- ガイドライン素案作成

- 国内外の研究者・研究支援者によるガイドライン検討委員会

- ガイドライン取りまとめ

調査の中で、研究機関における研究倫理・研究公正の取り組みは、研究機関の中の特定の職種・役職の方だけで実施するものではないことが判明しました。

研究者・研究支援者・機関の執行部など、それぞれのメンバーがそれぞれの立場から成し得ることがあります。また、その実施に際しても、研究機関の規模や構成、考え方、人材配置によって異なる施策があり得ます。

そのため、本ガイドラインは研究風土の醸成に向けた、あらゆる研究機関に共通した「一本の道筋を示す」ものではなく、各研究機関のそれぞれのメンバーが自身の置かれた役割に応じて、実施可能な取り組みを「引き出す」手助けをするものとなることを目指しました。


ガイドラインの構成

本ガイドラインは各章が「1. チェックリスト」「2. アクションプラン」「3. 取り組み例」にて構成されています。

  • チェックリスト:研究機関において実施すべき、もしくは実施することが推奨される事項
  • アクションプラン:チェックリストに該当しない事項があった場合に、当該事項が必要な背景や根拠を示し、その事項により達成可能な取り組みを示す。
  • 取り組み例:国内外の研究機関で実際に実施されている事例の紹介


ガイドラインの継続的な更新

ガイドラインの内容はAMED研究開発の事業終了後も継続的にアップデートを続けていく予定です。

実際にご覧になった感想や皆様のご所属機関での取り組み例、ガイドラインに掲載すべき情報の提供などをお寄せください。

ガイドライン文書に関する意見聴取


過去の研究テーマ

・研究代表者:野内玲、 「研究者倫理教育における倫理的判断力の測定と効果的な教育方法の探索」(一般財団法人新技術振興渡辺記念会: 科学技術調査研究助成)、研究期間:2018年10月1日-2019年9月30日 交付番号H30-472