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研究概要Research Projects

5-アルコキシオキサゾールの形式的 [3 + 2] 付加環化反応

オキサゾールは窒素原子と酸素原子を含む五員環の芳香族複素環ですが、従来、ジエンとして Diels-Alder 反応を行うことが知られていました。しかし、ある種の親ジエン剤との反応では、形式的な [3 + 2] 付加反応を行うことを見出しました。この反応を不斉合成に応用し、5-アルコキシオキサゾールとアルデヒド類とのエナンチオ選択的反応により、キラルな erythro-β-ヒドロキシ-α-アミノ酸や erythro-2-アミノ-1,3-ジオールのビルディング・ブロックとして有用な光学活性 cis-2-オキサゾリン-4-カルボキシレートの新規合成法を開発しました。この反応を用いると、強力な抗生物質であるバンコマイシンの β-ヒドロキシチロシンユニットの効率的合成に応用できると期待されます。実際この反応は、バンコマイシンの全合成を達成しているハーバード大学の D. A. Evans 教授らのグループに注目され、さらに効率の高い触媒の開発が達成されています [Angew. Chem., Int. Ed., 2001, 40, 1884.]。

Scheme 1 Scheme 2
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