11月中旬からのLED点灯実験の結果

 11月15日~22日にかけて、7回の主LED点灯実験(第50回~56回)をFSK変調で行いました。
 また大気圏再突入予定の11月24日午後6時30分頃に北海道上空を通過する可能性があったため、第57回LED点灯実験として、モールス点灯を行うように事前にコマンド設定しましたが、その約1時間45分前の午後4時45分(日本時間)にトルコ北部上空で大気圏に再突入しました。「ぎんれい」からの電波は、当日の午前10時50分のパスが日本における最後の受信で、また午後2時50分に南アフリカ局で受信されたものが「ぎんれい」の最後のメッセージになりました。アマチュア無線家佐藤氏から提供されたWebSDR受信報告を示します。この時の「ぎんれい」の温度は約60℃に上昇していましたが、「JR0ZST SHINDAISAT GINREI」と送信し続け、最後まで正常に機能していました。
 打ち上げから大気圏再突入4時間37分前までの高度変化をグラフに示します。また直前の7日間の詳細も示します。当初の予測は11月22日~25日としてきましたが、最終的には11月24日となりました。

DK3WNプログより
 Monday, November 24th, 2014 by DK3WN in ShindaiSat |
 space-track.org decay_msg
 NORAD DECAY_EPOCH REV DIRECTION LAT LON
 39572 2014-11-24 07:45:00   4245 ascending 41.4 42.1
 日本時間
 平成26年11月24日午後4時45分
 4245周回
 北緯 41.4度、東経 42.1度:トルコ北部(グルジアとの国境近く)

ぎんれい大気圏再突入の時刻ぎんれい大気圏再突入の場所




ぎんれい最後のメッセージ14:53JST 南アフリカのWebSDRで受信
(JA0CAW佐藤氏)







ぎんれい最後のメッセージ (拡大)



「ぎんれい」の高度変化(その⑧)

ぎんれいの軌道データ最終データ
日本時間平成26年11月24日午後0時08分の軌道データ
 近地点Perigee: 150.4 km
 遠地点Apogee: 168.0 km
 軌道傾斜角Inclination: 65.0 °
 軌道周期Period: 87.5 minutes
 軌道長半径Semi major axis: 6530 km
 TLE(Two-line elements)
 1 39572U 14009A 14328.13084988 .28848087 76253-5 66603-3 0 4474
 2 39572 064.9728 197.0096 0013534 259.7861 100.1802 16.45181032 42403

この4時間37分後の午後4時45分に大気圏再突入し、流れ星となる

ぎんれいの高度変化

  • 第50回LED点灯実験(11月15日午後9時台のパス)。可視地域は北海道東部で、陸別町銀河の森天文台で、口径115㎝の望遠鏡に信州大学の受光装置を取り付けて、「ぎんれい」からのFSK変調されたLED光の受光レベル測定を行った。事前タイマーセットによるFSK変調点灯は行われた模様だが、LED光を確認することができなかった。
  • 第51回LED点灯実験(11月16日午後9時台のパス)。可視地域は北海道中部。事前タイマーセットでFSK変調点灯。前日と同様に銀河の森天文台で観測。「ぎんれい」の軌道高度が低く、北海道東部は可視範囲限度と思われ、結果としてLED光の観測はできなかった。
  • 第52回LED点灯実験(11月17日午後8時台のパス)。可視地域は北海道西部。「ぎんれい」へのアップリンク実験を行うための投光器並びに「ぎんれい」からのダウンリンクを小型望遠鏡(口径28㎝)で受光するための装置を搭載した移動局を青森県八戸市に移動し、双方向通信実験の準備を行う。17日はあいにく曇天のため移動局側の観測は中止。
  • 第53回LED点灯実験(11月18日午後8時台のパス)。可視地域は東北北部。事前タイマーセットでFSK変調点灯。八戸市にある多摩川精機(株)八戸事業所の敷地内で双方向可視光通信実験を実施。昼間は曇天で、夕方遅くになって晴れ間が出てきたが、「ぎんれい」の通過するころに再び雲が多くなり、飛行経路の一部で星空が見える程度となってしまった。予定通り、投光器を搭載した赤道儀は「ぎんれい」を追跡。FSK変調されたLED光は「ぎんれい」に向けて照射。一方、口径28㎝の望遠鏡の焦点にPMT(光電子増倍管)を取り付けて、「ぎんれい」を追尾しながら「ぎんれい」のLED光を受光しようとしたが確認できなかった。観測風景は既にHPに掲載済み。
  • 第54回LED点灯実験(11月20日午後8時台のパス)。可視地域は東北中部。宮城県柴田町にある「太陽の村」で公開観測会を実施(10名ほどの参加)。事前タイマーセットによるFSK変調点灯。点灯時間は午後8時15分~20分まで。夕方遅くまで曇天であったが直前になって星空に。投光器による照射光(非FSK変調)の先を受光装置で観測。また、信州大学の別の観測チームは石巻市で同時観測を行ったが、残念ながら両チームともLED光の確認はできず。「太陽の村」における観測の様子をスチル写真の連続画像で示します(丸森町の大槻氏作成)。

宮城県柴田町「太陽の村」での観測風景
(丸森町大槻氏撮影)

  • 第55回LED点灯実験(11月21日午後7時台のパス)。可視地域は前日と同様に東北中部。リアルタイムコマンドによるFSK変調点灯。移動局は石巻市に移動し、観測を行うが受光に至らず。
  • 第56回LED点灯実験(11月22日午後7時台のパス)。可視地域は東北北部。「ぎんれい」の大気圏再突入直前であるため最後の観測会と考え、地元信州に戻り、岡谷市の諏訪湖湖畔で実施。「ぎんれい」が首振り運動(ニューテーション運動)しており、最後に信州に振り返ってくれることを皆で望み、投光器による照射と28㎝望遠鏡による受光を試みるが受光できず。観測会の様子は11月23日信濃毎日新聞朝刊に掲載。(http://www.shinmai.co.jp/news/20141123/KT141122SJI090013000.php)

「ぎんれい」最後の観測会

「ぎんれい」は11月23日頃、大気圏に再突入してそのミッションを終了する予定です。下記の日時・場所において公開観測会を行います。地上から「ぎんれい」に向けてLED光を照射します。その先を「ぎんれい」が飛行しますので観測がし易くなります。

日時: 平成26年11月22日(土) 18時30分集合 「ぎんれい」通過は19時30分頃
場所: 岡谷南高校グランド裏 諏訪湖畔

最後の観測会

「ぎんれい」の高度変化と今後の予測 (その⑦:2014.11.21)

20141121ginrei.jpg平成26年10月25日に大気圏に再突入したTeikyoSat-3の高度変化を近地点高度約320kmから図に示します。
その図に、GINREIの最近5日間の降下カーブをほぼ一致する場所に重ねると、高度で3km高く、日にちで29日ずれた経過をたどります。

GINREIは現在一日6㎞以上も高度を下げており、日々その値が大きくなっています。大気圏再突入はTeikyoSat-3より29日遅いと仮定すると10月25日の29日である11月23日となり、あと2日でミッションを終了します。












「ぎんれい」との双方向通信実験の実施

「ぎんれい」との双方向通信実験平成26年11月18日午後8時台のパスで、地上からFSK変調されたLED光を「ぎんれい」に向けて照射し、また「ぎんれい」からのFSK変調されたLED光を小型望遠鏡で受光する、双方向通信実験を、青森県八戸市にある多摩川精機(株)八戸事業所敷地内で行いました。
あいにく雲の多い空模様でしたが、「ぎんれい」の飛行経路上、時々星空が見える空間があり、地上からのLED光は「ぎんれい」にも届いたと思います(「ぎんれい」では約1等星の明るさで見える計算です)。

次回の実験は、公開観測会も兼ねて、11月20日午後8時台のパスで、宮城県柴田郡柴田町本船迫字上野4-1「太陽の村」で行う予定です。最後の公開観測会になると思われますので、ぜひご参加ください。
星空中の「ぎんれい」の位置・時刻は19日夜に信大HPにアップする予定です。



「ぎんれい」の高度変化と今後の予測(その⑥:2014.11.19)

「ぎんれい」の大気圏再突入は11月23日前後と思われます

ぎんれい予測6平成26年10月25日に大気圏に再突入したTeikyoSat-3の高度変化を近地点高度約320kmから図に示します。
その図に、GINREIの最近一週間の降下カーブをほぼ一致する場所に重ねると、高度で5km高く、日にちで29日ずれた経過をたどります(高度を合わせるとカーブが一致しないので、高度に関係なく一致する場所)。

GINREIは現在一日およそ5㎞高度を下げており、日々その値が大きくなっています。大気圏再突入はTeikyoSat-3より29日遅いと仮定すると10月25日の29日である11月23日となり、あと数日でミッションを終了します。









「ぎんれい」の高度変化と今後の予測(その⑤:2014.11.16)

大気圏再突入が早まりそうです

ぎんれい予測5平成26年10月25日に大気圏に再突入したTeikyoSat-3の高度変化を近地点高度約320kmから図に示します。
その図に、GINREIの最近10日間の降下カーブをほぼ一致する場所に重ねると、高度で6km高く、日にちで29日ずれた経過をたどります(高度を合わせるとカーブが一致しないので、高度に関係なく一致する場所)。
GINREIの大気圏再突入がTeikyoSat-3より29日遅いと仮定すると10月25日の29日後である11月23日となり、今までの予測より少し早まっています。












11月のLED点灯実験の予定(その①:11月15日~20日)

11月のLED点灯実験の予定①11月15日から20日までの「ぎんれい」の予想パスを示します(11月14日の軌道データTLE14317で算出)。毎日南下しますがその間隔はだんだん縮まっていき、長野県上空には来ない計算になります。但し、今後の軌道変化により変動しますので、大きな変化があった場合は逐次データを更新します。

①から⑥のパスにおいて、直下点に近い地域からの見えるおおよその時刻を示します(今後大きく変わる可能性があります)。最終的には直前のHP情報を参考にしてください。

LEDの点灯方式は、受光レベルの測定実験を主にしますので、すべてFSK変調点灯(見た目は連続光)の予定です。

① 11月15日(土) 
  午後9時18分頃
② 11月16日(日) 
  午後9時10分頃
③ 11月17日(月)
  午後9時00分頃
④ 11月18日(火)
  午後8時48分頃
⑤ 11月19日(水)
  午後8時34分頃
⑥ 11月20日(木)
  午後8時20分頃




「ぎんれい」LED点実験〜結果と今後の計画

「ぎんれい」のLED点灯実験の結果や今後の予定については「ぎんれい」プロジェクトページ(下記リンクバナー)において、随時公開しています。是非ご覧ください!

「ぎんれい」LED点灯実験計画と結果



「ぎんれい」の高度変化と今後の予測(その④:2014.11.10)

ぎんれい予測4平成26年10月25日に大気圏に再突入したTeikyoSat-3の高度変化を近地点高度約320kmから図に示します。

その図に、GINREIの最近2週間の降下カーブを同じ高度でほぼ一致する場所に重ねると、32日ずれた経過日数になります。

GINREIの大気圏再突入がTeikyoSat-3より32日遅いと仮定すると10月25日の32日後である11月26日となります。










11月のLED点灯実験について

「ぎんれい」は11月下旬に大気圏再突入すると予想されますので、11月中旬(現在の予定では11月15日)からのLED点灯実験が最後の実験となります。
実験内容は下記の通りです。日にちによって内容が決定されます。

FSK変調された信号の双方向通信実験を行います。地上から「ぎんれい」に向けてLED光を照射し、また「ぎんれい」からのLED光を受光し、そのレベルを測定します。
モールス点灯された「ぎんれい」からのLED光を見るための公開観測会を開催します。その際、地上からモールスによるメッセージをLED光として「ぎんれい」に向けて照射します。

現在の軌道データから計算すると、11月15日と16日は北海道地域が可視範囲になる予定です。FSK変調されたLED光を陸別町銀河の森天文台の望遠鏡を用いて観測を行う予定です。
一方、公開観測会は11月17日頃から行う予定で、会場は「ぎんれい」のパスの関係から11月20日頃までは東北地方になります。事前に会場の案内をHPに掲載しますので会場に近い皆さんは是非ご参加ください。

「ぎんれい」の高度変化と今後の予測(その③:2014.11.05)

ぎんれいの高度変化3TeikyoSat-3は平成26年10月25日に大気圏に再突入しましたが、近地点高度約320kmからの高度変化を図に示します。その図に、GINREIの最近20日間の降下カーブを同じ高度でほぼ一致する場所に重ねると、31日ずれた経過日数になります。

TeikyoSat-3の大気圏再突入が239日目の10月25であるので、その31日後の11月25日がGINREIの大気圏再突入と推測され、今までの予測と大きく変わりません。










10月中旬から11月上旬にかけてのLED点灯実験の結果

10月15日~11月3日にかけて、13回の主LED点灯実験(第37回~49回)を、モールス又はFSK変調で行う予定でしたが、1回はバッテリ電圧が低いために実験中止、3回はリアルタイムコマンドが通らず不点灯になり、結果として9回の点灯実験を行いました。8月の実験に比較して天候は安定してきましたが確実にLED光の確認には至りませんでした。10月28日までは北行パス(南西から北東に向けて移動)で、午後10時台~午後5時台と観測に適した時間帯であり、多くの方が観測に挑戦して下さいました。25日には伊那市創造館で、28日には栄小学校で子供たちと観測会を実施し、初めて地上から「ぎんれい」に向けて強力なLED光を照射しました。これは可視光通信のアップリンクのための予備試験も兼ねたものです。
また28日及び29日の午後6時台のパスでは、夕方の太陽光を反射した「ぎんれい」の写真撮影や目撃報告を多くいただきました。
10月29日からは未明の南行パス(北西から南東に向けて移動)になり、深夜の観測になりました。次回の11月中旬からのLED点灯実験では同じく南行パスですが、午後10時台よりも早い時間帯になるので観測がし易くなります。この期間が「ぎんれい」の最後の実験となりますので是非一度空を見上げてください。

  • 第37回LED点灯実験(10月15日午後10時台のパス)。可視地域は本州中部以北。事前タイマーセット。モールス点灯(約45秒間点灯、その後約5秒間休止のパターンを10回繰り返えしで約8分間実施)。点灯開始は午後10時01分30秒頃。
  • 第38回LED点灯実験(10月16日午後10時台のパス)。可視地域は九州西部。リアルタイムコマンド。モールス点灯。点灯開始は午後10時17分25秒頃のため天頂付近通過後。
  • 第39回LED点灯実験(10月18日午後9時台のパス)。可視地域は中部・関東地方。事前タイマーセット。FSK変調点灯(約20秒間点灯、その後約10秒間休止のパターンを13回繰り返して約6分間実施)。点灯開始は午後9時04分20秒頃。
  • 第40回LED点灯実験(10月19日午後9時台のパス)。可視地域は九州・中国地方。事前たまーセット。FSK変調点灯。点灯開始は午後9時15分40秒頃。
  • 第41回LED点灯実験(10月21日午後8時台のパス)。可視地域は関東太平洋側地域)。事前タイマーセット。FSK変調点灯。点灯開始は午後8時04分40秒頃。
  • 第42回LED点灯実験(10月22日午後8時台のパス)。可視地域は四国・中国地方並びに北海道西部。モールス点灯の予定だったが、バッテリ電圧が十分に回復していなかったため実験は直前で中止しました。観測を予定されていた方にはご迷惑をおかけしました。
  • 第43回LED点灯実験(10月25日午後7時台のパス)。長野県上空を通過するパスで、長野県内、北陸、北海道と広い地域が可視範囲。事前タイマーセット。モールス点灯。点灯開始は午後7時7分頃で、バッテリ電圧低下により午後7時10分頃には自動的に低消費電力モードに移行。残念ながら天空全領域での点灯は行われず、点灯時間はパスの前半から天頂付近までと思われます。
    初めての公開観測会を伊那市創造館敷地内で実施しました。
    信濃毎日新聞に記事が掲載されています(http://www.shinmai.co.jp/news/20141026/KT141025FTI090021000.php)。
    アップリンク用可視光通信の予備実験として、LED投光器を衛星追尾可能な赤道儀(ビクセン製SXP)に搭載し、「ぎんれい」を追尾照射しました。夜空に光るLED投光器の写真を示します。

アップリンク用LED 赤道儀に搭載された投光器

赤道儀に搭載された投光器     

  • 第44回LED点灯実験(10月28日午後5時台のパス)。可視地域は関東地方。当初、長野県内も可視地域に含まれていましたが、近地点高度が300kmを下回っている事から軌道変化が大きく、日本列島から離れた太平洋側を通過するパスになってしまいました。事前タイマーセット。FSK変調点灯。点灯開始は午後5時57分30秒頃。
    午後5時59分30秒頃まで、「ぎんれい」に太陽光が当たり、その反射光が地上から多く目撃されました。東京都鈴木氏撮影の画像を示します。

太陽光を反射した「ぎんれい」の光跡太陽光を反射した「ぎんれい」の光跡
(露出:1/2秒)
(撮影:鈴木裕二郎氏(東京都))

第2回目の公開観測会を栄村立栄小学校(長野県下水内郡栄村)校庭で実施しました。栄村は東日本大震災翌日の平成23年3月12日の早朝、震度6強の地震に見舞われ、多くの被害が出たことは記憶に新しいと思います。「ぎんれい」の愛称募集には現在の6年生が全員で応募し、ぎんれいプロジェクトを進める上で大変励みになりました。今回の観測会はそのお礼の一環として当初から計画していました。また、観測会の前の10月22日には事前学習会を6年生の教室で開き、「ぎんれい」に関する知識を学び、また親睦を深めることができました。
28日の観測会当日はあいにくの曇り空でしたが、25日の伊那市創造館と同様に投光器による「ぎんれい」追跡を行いました。またその時、6年生と先生が考えた下記のメッセージをモールス信号で表現して「ぎんれい」に向けてLED光を送り続けました。
  「みんなのえがおで、ゆめ・みらいへ はばたいて」

「ぎんれい」の歌を披露する栄小6年生観測会後、「ぎんれい」の模型の前で、思いを込めて「ぎんれい」の歌を披露する栄小6年生

  • 第45回LED点灯実験(10月29日午前3時台のパス)。可視地域は中部・関東・東北地方。FSK変調点灯。第44回と同一夜であり、事前タイマーセットができなかったためリアルタイムコマンドで運用しました。点灯開始は午前3時28分頃で天頂通過後でした。
    第44回及び45回のLED点灯実験では、富山市天文台において口径1メートルの望遠鏡に受光装置をセットし、スペクトルアナライザによる受光レベルの測定を実施しました。残念ながら「ぎんれい」からのLED光を受光することができませんでした。
  • 第46回LED点灯実験(10月29日午後6時台のパス)。LED点灯実験で日本列島を縦断するパス(北行パス)としてはこれが最後でした。可視地域は関西と北海道西部。FSK変調点灯。リアルタイムコマンドによる運用を行いましたが電波による通信が通らなかったためLEDは点灯しませんでした。前日の夕方のパス(第44回実験時)と同様に太陽光を反射した「ぎんれい」の写真撮影や目撃が行われました(午後6時06分30秒頃まで) 。
  • 第47回LED点灯実験(10月30日午前3時台のパス)。可視地域は関西から中部地方。FSK変調点灯。今回もリアルタイムコマンドを実行しましたが、電波不通によりLED点灯が行えませんでした。
  • 第48回LED点灯実験(11月2日午前2時台のパス)。可視地域は東北地方。FSK変調点灯。事前タイマーセット。
  • 第49回LED点灯実験(11月3日午前2時台のパス)。可視地域は関西から中部地方。FSK変調点灯。電波による通信が通らなかったためLED点灯が行えませんでした。

10月のLED点灯実験の予定(その③:10月29日~11月3日)

ぎんれい実験パス10月のLED点灯実験その③として、10月29日~11月3日にかけて、夕方或は明け方のパスで行います。技術データ取得を目的としているため、主LED点灯実験でFSK変調した連続光となります(モールス点灯は行いません)。

①~④のパスで、長野市から見える時間を示します。見える可能性のある各地からの星図中の「ぎんれい」の時刻・位置は最新データをもとに前日に掲載します(現在「ぎんれい」の高度は約295kmで、軌道変化が大きいため直前のデータでないと正確な時刻がわかりません)。

長野市から見える時間帯(仰角5度以上)
(10月26日のTLE14298で算出)

① 10月29日(水)
  午後06時02分30秒~06時09分00秒
② 10月30日(木)
  午前03時29分30秒~03時35分50秒
③ 11月2日(日)
  午前02時11分20秒~02時17分50秒
④ 11月3日(月)
  午前02時15分00秒~02時21分20秒






「ぎんれい」の高度変化と今後の予測(その②:2014.10.23)

ぎんれいの高度変化GINREIの今後の高度変化の予測(その②)をTeikyoSat-3の高度変化と比較して行いました。

図に示すように、TeikyoSat-3の降下カーブに最近一週間のGINREIの降下カーブを同じ高度で重ねるとほぼ一致している事がわかります。

TeikyoSat-3の打ち上げ後の経過日数200日がGINREIのそれの231日に相当する事から、GINREIは31日の差で同じ降下カーブをたどると考えられます。TeikyoSat-3の大気圏再突入が238日目の10月24日となりそうですので、GINREIはその31日後である11月24日と推測されます。但し、今後の太陽活動に大きな影響を受けますので、その前後と考えていただければ良いと思います。

これにより、11月中旬からのLED点灯実験のいくつかは実施できそうです。









10月のLED点灯実験の予定(その②:10月22日~29日)

10月22日~29日までの期間でLED点灯実験を行う予定のパスを、10月のLED点灯実験予定その②として示します。主LED点灯実験で
(1)モールス点灯(45秒間点灯で点滅光。その後5秒間休止。このパターンの繰り返し)
(2)FSK変調点灯(20秒間点灯で連続光。その後10秒間休止。このパターンの繰り返し)
の2種類です。実験目的に応じて点灯方式を決定しています。
①~④のパスで、長野市から見える時間を示します。見える地域はパスの西側で、①は中国・四国地方、②は中部から関西並びに北海道地方、③は関東地域が主となります。④は未明のパスで中部・関東地方で見える予定です。
各地からの星図中の「ぎんれい」の時刻・位置は最新データをもとに前日には掲載します。

10月22日~29日のLED点灯実験の予定長野市から見える時間帯(仰角5度以上)
(10月19日のTLE14291で算出)

① 10月22日(水):モールス点灯
  午後8時13分30秒~8時19分30秒
② 10月25日(土):モールス点灯
  午後7時09分50秒~7時16分40秒
③ 10月28日(火):FSK変調点灯
  午後6時03分50秒~6時10分30秒
④ 10月29日(水):FSK変調点灯
  午前3時31分40秒~3時38分30秒

「ぎんれい」の高度変化と今後の予測(その①:2014.10.13)

「ぎんれい」は本年2月28日に高度400kmの軌道に打ち上げられましたが、上層大気の影響を受けて(抵抗力を受けて速度が低下)毎日高度を下げています。一般的には高度400kmの軌道寿命は1年以下です。当初は毎日約300mの割合で高度を下げていましたが、9月10日に発生した太陽フレアの影響を受けて降下速度がより大きくなり、10月13日現在、近地点高度は305km、遠地点高度は333kmに下がっています(降下速度は約1km/日)。
年内には大気圏に再突入し、燃え尽きてしまいますが、いつ頃その時を迎えるか、毎週軌道の変化をHPに掲載したいと思います。
尚、2月28日に同時に打ち上げられた7大学の衛星の中で、現在軌道上にあるのは「ぎんれい」と帝京大学の衛星のみで、残りの5衛星は既に燃え尽きています。

今回はその①として、実測データの変化から落下予測を立ててみました(正確には求められないので目安として考えてください)。

「ぎんれい」の高度変化と今後の予測

10月のLED点灯実験の予定(その①:10月15日~21日)

10月15日~11月3日にかけて、夕方或は明け方のパスでLED点灯実験を行います。図はその①として10月15日~21日までの期間を示します。
主LED点灯実験で、
(1)モールス点灯(45秒間点灯で点滅光。その後5秒間休止。このパターンの繰り返し)
(2)FSK変調点灯(20秒間点灯で連続光。その後10秒間休止。このパターンの繰り返し)
の2種類です。実験目的に応じて点灯方式を決定しています。

①~⑤のパスで、長野市から見える時間を示します。見える地域はパスの西側です(①、③、⑤は関西以東の本州並びに北海道。②、④は九州・中国地方)。各地からの星図中の「ぎんれい」の時刻・位置は最新データをもとに前日に掲載します(http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/engineering/chair/elec006/project_led.html)(現在「ぎんれい」の高度は約300kmで、軌道変化が大きいため直前のデータでないと正確な時刻がわかりません)。

10月のLED点灯実験の予定

長野市から見える時間帯(仰角5度以上)
(10月13日のTLE14286で算出)

① 10月15日(水):モールス点灯
  午後10時01分35秒~10時08分26秒
② 10月16日(木):モールス点灯
  午後10時13分48秒~10時20分35秒
③ 10月18日(土):FSK変調点灯
  午後9時04分19秒~9時11分06秒
④ 10月19日(日):FSK変調点灯
  午後9時11分40秒~9時22分28秒
⑤ 10月21日(火):FSK変調点灯
  午後8時04分42秒~8時11分18秒

9月以降の実験可能パスについて

9月から12月までの実験可能期間を別図に示します。
9月上旬は月明かりの影響がありましたが、9月4日までLED点灯実験を行いました。その後夜間のパスが無く、10月上旬は月明かりの影響を受けますので、次回シリーズは10月中旬からになります。その後11月後半、12月後半が実験可能期間です。
本年2月28日に7大学の超小型衛星が打ち上げられましたが、4月にSTARS-II(香川大学)、5月にKSAT-2(鹿児島大学)、6月にITF-1(筑波大学)、7月にOPUSAT(大阪府立大学)、9月にINVADER(多摩美術大学)が既に大気圏に突入し消滅しています。残りは「ぎんれい」とTeikyoSat-3(帝京大学)の2機になりました。その中で、「ぎんれい」は最後まで残ると思われますが、それでもあと数カ月の寿命です。「ぎんれい」は当初、一日あたり300m程度の割合でその高度を下げていましたが、9月10日現在は近地点高度が330kmを切り、その降下する値も大きくなっています。いつ大気圏に突入するか正確に予測することは困難ですが(太陽活動に大きく影響される)、現時点での大まかな予想として12月頃とみています。
10月からは天候も安定すると思われますので、この期間中にぜひ多くの方に「ぎんれい」からのLED光を見ていただきたいと思います。全国各地の皆様からの観測の便りを待っています(「見えない」という情報も大切です)。

中島厚
ぎんれいプロジェクトマネージャ
〒380-8553 長野市若里4-17-1
信州大学工学部
Tel:026-269-5183
E-mail:anmobile@shinshu-u.ac.jp
(スパムメール防止のため@を全角にしていますので半角に修正してからお送りください)


平成26年9月                                                           (株)アストロアーツ/ステラナビゲータ使用

平成26年9月ぎんれい実験パス

平成26年10月

平成26年10月実験パス

平成26年11月

平成26年11月実験パス

平成26年12月

平成26年11月実験パス

8月下旬から9月上旬にかけてのLED点灯実験の結果

8月18日~9月4日にかけて、17回の主LED点灯実験(第20回~36回)を、モールス又はFSK変調で行いました。天候に恵まれずLED光を確認したという報告はありませんでした(各地で大きな災害が発生しました。被災された方々には心からお見舞い申し上げます)。一度も観測されなかったという原因として、南行パス(北西から南東に移動)は日本列島を横断する形となり、可視地域が狭く天候に左右されやすい事、及び姿勢制御は磁気トルカによる沿磁力線制御ですが、1~2分で1回転していると思われ、コマのような首ふり運動が起こり、可視予想地域からずれている、と考えられます。

  • 第20回LED点灯実験(8月18日午前1時台のパス)。可視地域は中部地方。事前タイマーセット。FSK変調による点灯(約20秒間点灯、その後約10秒間休止の パターンの繰り返えし)。点灯開始は午前1時29分頃、終了は1時34分頃。
  • 第21回LED点灯実験(8月19日午前0時台のパス)。可視地域は北海道東部。事前タイマーセット。FSK変調。午前0時19分50秒頃に点灯。
  • 第22回LED点灯実験(8月20日午前0時台のパス)。可視地域は中部・関東地方。事前タイマーセット。FSK変調。
  • 第23回LED点灯実験(8月21日午前1時台のパス)。可視地域は九州地方。事前タイマーセット。モールス。
  • 第24回LED点灯実験(8月21日午後11時台のパス)。可視地域は東北地方。事前タイマーセット。モールス。
  • 第25回LED点灯実験(8月23日午前0時台のパス)。可視地域は中国・四国地方。事前タイマーセット。モールス。
  • 第26回LED点灯実験(8月23日午後11時台のパス)。可視地域は東北北部から北海道南部地方。リアルタイムコマンド。モールス。午後11時13分30秒頃に点灯(可視時間後半)。
  • 第27回LED点灯実験(8月24日午後11時台のパス)。可視地域は関西地方。事前タイマーセット。モールス。
  • 第28回LED点灯実験(8月25日午後10時台のパス)。可視地域は北海道。前日の実験(第27回)後、バッテリ電圧低下によりモードが1から3に自動移行。リアルタイムコマンドによりモード1に変更。モールス。午後10時27分30秒頃点灯(可視時間終了間際)。
  • 第29回LED点灯実験(8月26日午後10時台のパス)。可視地域は中部地方。事前タイマーセット。モールス。
  • 第30回LED点灯実験(8月28日午後10時台のパス)。可視地域は関東地方。事前タイマーセット。モールス。「ぎんれい」と同時に打ち上げられた「TeikyoSat-3」開発の帝京大学の学生の協力を得て観測が行われたが、当夜も天候に恵まれずLED光が確認できませんでした。
  • 第31回LED点灯実験(8月29日午後10時台のパス)。可視地域は九州北部から中国・四国西部地方。コマンド不通により点灯指令が届かず非点灯。
  • 第32回LED点灯実験(8月30日午後9時台のパス)。可視地域は東北地方。事前タイマーセット。モールス。
  • 第33回LED点灯実験(8月31日午後9時台のパス)。可視地域は中国・四国地方。事前タイマーセット。モールス。
  • 第34回LED点灯実験(9月1日午後8時台のパス)。可視地域は北海道。事前タイマーセット。モールス。旭川市で観測(天候は晴れ)。LED光は確認できず。
  • 第35回LED点灯実験(9月3日午後7時台のパス)。可視地域は北海道東部。事前タイマーセット。FSK変調。陸別町銀河の森天文台115㎝の大型望遠鏡(「りくり」)を使用して、FSK変調されたLED光をフォトダイオードで受光し、その強度を測定(スペクトルアナライザ)予定であったが、夕方から雲に覆われて観測できず。可視光通信実験を行うための事前実験。
  • 第36回LED点灯実験(9月4日午後7時台のパス)。可視地域は関東地方。事前タイマーセット。モールス。千葉県南房総市にて鈴木様が観測に協力(写真撮影)。写真からは残念ながら「ぎんれい」からのLED光を確認することができませんでした。

7月のLED点灯実験結果

7月21日~31日にかけて、7回のLED点灯実験(第13回~19回)を行いました。

  • 第13回LED点灯実験(7月21日午前0時台のパス)。事前タイマーセット。副LED点灯。天候にめぐまれずLED光確認報告なし。
  • 第14回LED点灯実験(7月22日午後11時台のパス)。リアルタイムコマンドセット。副LED点灯。同上。
  • 第15回LED点灯実験(7月24日午後10時台のパス)。事前タイマーセット。主LED点灯。長野県内は天候にめぐまれず観測不可。
      宮城県(丸森町)及び北海道(陸別町)で写真撮影及びビデオ撮影に成功。
      画像を別途示します(丸森町から撮影された「ぎんれい」の主LED光。陸別町から撮影された「ぎんれい」の主LED光(動画と静止画)。
  • 第17回LED点灯実験(7月27日午後10時台のパス)。事前タイマーセット。副LED点灯。九州地方上空を通過。
      台風の影響で天候にめぐまれずLED光確認ができなかった。
  • 第18回LED点灯実験(7月29日午後9時台のパス)。事前タイマーセット。副LED点灯。九州地方上空を通過。LED光確認報告なし。
  • 第19回LED点灯実験(7月31日午後9時台のパス)。事前タイマーセット。主LED点灯。九州・四国・中国地方上空を通過。LED光確認報告なし。

  • 宮城県丸森町で撮影された「ぎんれい」

    第15回LED点灯実験で撮影された「ぎんれい」の主LED光(モールス点灯)

    ※このページは「ぎんれい」の現在地を表示するため、1分ごとにリロードされる仕組みになっています。動画再生中にリロードされてうまく視聴できない場合はYouTubeチャンネル(http://youtu.be/Io3j8M-P5_g )からご覧ください。


    銀河の森天文台で撮影された「ぎんれい」

5月・6月の実験結果

5月28日から6月4日にかけて、副LEDの点灯実験を行いました。その中で、5月28日の第6回実験では岡山県から、6月1日の第10回実験では富山県と岡山県で撮影に成功しました。その画像を示します。

こうま座の中を移動する「ぎんれい」
や座の中を移動する「ぎんれい」
富山市天文台

富山市天文台(富山市三熊49-4)
http://www.tsm.toyama.toyama.jp/tao/


画像をクリックすると、約1分間の動画が見られます。光のモールスを解読してみて下さい。
※このページは「ぎんれい」の現在地を表示するため、1分ごとにリロードされる仕組みになっています。動画再生中にリロードされてうまく視聴できない場合はYouTubeチャンネル(http://youtu.be/VEKpbD8_8WI)からご覧ください。

撮影データ:
日時:2014年6月1日午前0時42分40秒
望遠鏡:富山市天文台1m望遠鏡(口径1000mm、焦点距離8000mm)
    口径について:光を2分割しているので実質口径は約700mm
     焦点距離について:f=60mmのアイピースとf=6mmF0.8のビデオレンズにより800mmに変換
ビデオカメラ:WATECのWAT-100N
視野:直径で約22arcmin
限界等級:約11等
撮影者: 富山市科学博物館附属富山市天文台 林 忠史 主査学芸員(天文担当)


4月・5月の実験結果


(第2回および第5回LED点灯実験)

4月、5月の実験結果


太陽を反射して光るぎんれい

 「ぎんれい」はLEDを点灯させて自分で光を出す唯一の人工衛星ですが、光を出していない時でも観察することができます。

 明け方あるいは夕方で地上が暗い時、高度数百km上空を移動する人工衛星には太陽光があたるため、その反射光が見えるからです。

 4月23日午前3時13分頃、岡山県総社市で倉敷科学センター三島和久学芸員が太陽光を反射した「ぎんれい」の撮影に成功しました。これは「ぎんれい」の下面のアルミ表面に反射した光で、4~5等星の明るさで見えるようです。

 詳細は信大HPトピックスをご覧ください。
http://www.shinshu-u.ac.jp/topics/2014/04/post-661.html






光学追跡ネットワーク構築、プロ・アマを問わず、一般の方も参加できる宇宙通信を実現します

信州大学工学キャンパス(長野県長野市)における可視光送受信局とバックアップ局(例えば、長野県伊那市)での通信、また移動式受信局(専用車両)による通信も計画しています。さらに、JAXA・NICT・天文台等の大型望遠鏡による受信局網も構築いたします。

衛星の光が見える範囲、移動式受信局で広がる多彩な活用法

  • 衛星軌道は高度400km、軌道傾斜角65度です。
  • 衛星から真下を照らした場合、その光の広がりは直径約40kmとなり、その範囲内にいる人は衛星の光を見る事が可能です。
  • 地心指向で通過する場合は数秒間。衛星の姿勢制御で地上局を指向すると数分間の通信が可能です。
  • 移動式受信局を利用した場合、各地域に移動して衛星からの光を受光して通信を行う事が出来ます。
  • この光を高速で点滅させる事により、いろいろな情報を送る事が出来ます。また、モールス信号でゆっくり点滅する光を直接目で見る事ができ、衛星からのメッセージを皆さんが読み取る事が出来ますし、また専用の受信機を向ける事により衛星が発信する音楽を聴く事も可能となります(計画中)。
  • メッセージを衛星に届け、その内容を目で見える光として、希望する時間、場所に送ることもできますし、その他いろいろなイベントが検討されています。多くの人が注目する衛星になるでしょう。