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センター長より

新たなイノベーション・システムの構築をめざして

信州大学イノベーション研究・支援センター長 柴田匡平  信州大学イノベーション研究・支援センターは平成17年7月にオープンし、①イノベーションに関する調査研究、並びに②研究開発、地域振興、ニュービジネスの創出など様々な分野の産学連携プロジェクトの支援を目的とした組織です。

 企業の社会的責任(CSR)、環境問題とサステイナビリティ概念にかかわる意識調査や学内教育への支援、および環境経営の啓発を活動の大きな柱としております。 地域におけるイノベーション・システムを確立するためには、大学の果たすべき役割は、極めて大きいと考えられます。とりわけ、これまで、わが国の産学連携、ものづくりの復活への試みには、マネジメントの視点が欠落しがちでした。本センターでは、経営大学院とも連携を取りつつ、事業化のマネジメント、地域再活性化のマネジメント等を関係者と共に 考えその具体化を目指します。

 本センターは、大学こそは実践の場であるべきとの信念のもとに、大学と産業社会の組織制度の壁、社会科学と自然科学の学問の壁を突破することを目指しています。社会科学、自然科学の研究者、社会人大学院生、学部の若い学生、起業家、行政の担当者等が、文字通り一体となって問題解決に取り組んでいます。 地域のイノベーションには、国家的なイノベーションとは異なるアプローチが必要となります。地域の産業は、地域活性化の推進力としての役割を期待されており、他方、互いの顔の見えるシステムの中で、地域と共生し、共に歩むことを求められています。新たな地域社会にふさわしい創意と活力に富んだ企業群を生み出していくためには、こうした二面性 をふまえつつ、地域経済システムや地域社会自体の意識改革が不可欠と考えます。

 地域や大学に内在する、いきいきとした創発性を軸に、地域の経済社会の発展と持続に資する活動を幅広く展開したいと念願しております。皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。

平成26年4月 
イノベーション研究・支援センター長 柴田匡平