<遺伝子関連検査をもっと身近に~ideas for molecular diagnosis~>
遺伝子解析技術の発展により、日々新たな解析法・解析機器が誕生しています。これら新規遺伝子解析技術は、より精緻な診断を可能とし、分子標的療法などの新規治療法と合わせてさらなる治療成績の向上が期待されます。しかし、そういった技術の中で臨床検査として実際の検査室で実施されるものはごくわずかです。新規解析技術が臨床検査として応用が進まない理由には、結果に偽陽性・偽陰性がどれ程含まれるかといった臨床検査法としての性能検証が十分ではないこと、従来法などに比して高コストであることなどが挙げられます。一方、腫瘍の病理診断においては、病型特異的な遺伝子異常プロファイルが明らかになり病型の細分化が進んでいますが、臨床検査として解析できない遺伝子異常の同定を必要とする病型の診断は困難なのが実情となっています。
当研究グループでは、病理診断や臨床に活かせる遺伝子関連検査の研究開発を行ない、精密医療(Precision Medicine)への貢献を目指しています。
・フラグメント解析によるCALR遺伝子変異検出の性能評価と変異アリル頻度測定に関する検討. 根岸 達哉ら. 医学検査 72(2) 182-190
2023年4月25日
・Rapid diagnosis of acute promyelocytic leukemia with the PML-RARA fusion
gene using a combination of droplet-reverse transcription-polymerase chain
reaction and instant-quality fluorescence in situ hybridization. Shigeto
S et al. CLINICA CHIMICA ACTA. 2016 Jan; 453:38-41.