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お知らせ詳細

新規開設:「がんプロフェッショナル養成プラン」のご紹介

2008.11.19

信州大学大学院医学系研究科における
がんプロフェッショナルへの取り組み

信州大学大学院医学系研究科長
久保恵嗣

現在国民2人に1人はがん(悪性腫瘍)に罹患し、3人に1人はがんで死亡する時代になっています。
このような背景とがん医療に関する国民の強い要望に応えるべく、国は2007(平成19)年度に「がん対策基本法」を施行させ、「がん対策推進基本計画」を策定しました。
この政策の大きな特徴の一つに、国内のどこにおいても良質ながん診療が受けられる「がん医療の均てん化」の推進があげられます。この目的達成のために、都道府県がん診療連携拠点病院が設定され、長野県では信州大学医学部附属病院がその拠点病院に指定されています。がん医療に携わる医療人の育成と教育、また医師・薬剤師・看護師・放射線技師などのチーム医療の充実・研修のシステムが構築されてきています。
一方で、文部科学省により「がんプロフェッショナル養成プラン」が作成され、がん医療の担い手となる医療人養成を行うための大学(大学院博士課程)教育を支援するプログラムが開始されています。
平成20年度より、信州大学は、「南関東圏における先端的がん専門家の養成」の9大学13研究科からなる共同体のひとつに参加しています。この中で私どもは、特にがん専門医師の養成を中心に本プロジェクトを推進しています。
個々の専門領域に加えて、化学療法、放射線治療、緩和医療等を習得し、広く均等の取れた臨床腫瘍学を習得し、かつ基礎または臨床研究を同時に修練しながら、専門医および学位の同時取得を目指します。このプランは、大学院博士課程(一般・社会人枠)にも広く公募しています。各履修者の状況に応じた修練プランも可能としています。
信州大学では、がん医療人育成を視点にした教育研究を整備し、体系的な教育・指導体制の実現を目指しています。

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信州大学大学院医学系研究科がんプロフェッショナル養成プランコース 案 内

以下の2つのコースを設定しています。期間はそれぞれ4年間です。

1) 基礎研究コース
悪性腫瘍の生物学的特性を基礎的研究から解明し、臨床的に有用な情報を獲得するための基礎研究を行うためのコースです。研究テーマは、がんの発生、転 移、がんの分子生物学特性、病理診断、遺伝子解析、疫学調査、さらに薬剤感受性および耐性のメカニズムの解明などです。一方で、臨床研修期間を半年から一 年間設定します。臨床研修期間には、化学・放射線療法、緩和医療の領域を選択して診療履修するのみならず、進行中の基礎研究に応じて、造血幹細胞移植、外 科、がんリハビリなど先進的な治療や臨床研究の関与への教育体制も設定可能です。 このコースは、基礎および臨床を学びトランスレーショナルリサーチへの探究心を育成することを目標にしています。基礎的研究テーマ等はその都度指導者と相談します。

2)臨床研究コース
悪性腫瘍の治癒率向上を目指した様々な臨床研究を行うためのコースです。臨床研究の立案、実施、分析および結果の解釈等を研修します。所属診療科または連 携病院で、専門がん腫の臨床研鑽を行いますが、一年間は信州大学臨床腫瘍部主導の臨床研修期間を設けています。臨床腫瘍部では、いくつかのがん種の治療の 研修が可能です。また、造血幹細胞移植や放射線療法といった治療の研修も希望に応じて設定します。自由に選択でき、各学会の認定がん専門医の資格取得も可 能な教育カリキュラムを敷いています。希望により基礎研究に従事可能な時期を設定することも可能です。

なお、両コースともに、南関東9大学の合同がんプロ共同体の医療人育成プランの共通研修プランに参加していただきます (例:MDアンダーソン病院スタッフと共に合宿形式の全職業域のチーム医療ワークショップに参加、医療人育成ための夏季研修など)。

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◆文部科学省 がんプロフェッショナル養成プラン