信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 糖質液投与後の運動が胃内の糖質液停滞量および血糖値に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.5 Vol.5

 要約

 糖尿病のより望ましい運動療法を処方するうえでの基礎的資料を得るために,マウスを用いて,糖質液投与(1.59/kg)直後から3種の強度(分速6m,12mおよび18m)のトレッドミル運動を負荷し,運動が胃内糖質液停滞量および血糖値に及ぼす影響を比較検討した.
 得られた結果を要約すると次のとおりである.
 1) 運動を負荷することにより,糖質液投与20分後の血糖値は安静群に比較してすべての運動群で低値を示した.
 2) 胃内の糖質液停滞量も安静群に比較してすべての運動群で有意に低値を示し,運動により消化吸収機能は冗進されているものと考えられた.
 3) 上記結果から,糖尿病の運動療法を処方するにあたっては,運動の強度を考慮すれば,食事直後からの運動も糖代謝能の改善に好影響を及ぼすのではないかと考えられた. 
 4)また同時に,スポーツドリンクの飲用も適度な運動時であれば,消化吸収機能に負担をかけることなく,より効果的にエネルギー源などを供給し得るものと考えられた.

「デサントスポーツ科学」第5巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 本間聖康*1, 三野耕*2, 白石龍生*3, 井関敏之*4
大学・機関名 *1 高知大学, *2 兵庫教育大学, *3 大阪教育大学, *4 大阪体育大学

キーワード

糖尿病運動療法胃内の糖質液停滞血糖値