学童・小児の骨折に関する調査
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13】
小児骨折の頻度が増加しているか,そして増加しているとした場合その要因が何であるかを検討する目的で,新潟市の学童。生徒を対象に調査を行なった.1981年と1990年の2回にわたり,中学3年生全員に対し骨折の既往に関するアンケート調査の結果,骨折既往をもつものの割合は10.6%から15.5%に増加し,性別でも男子が16.7%が20.1%に女子は8.5%が10.8%であり,男子に骨折が多く今回が前回よりも有意に増加していた.受傷した学年は男子では小学生高学年以降学年が進むにつれ増加していく傾向がみられた.
また,1975年から1989年までの日本体育健康センターの災害調査報告書から抽出した骨折件数は在籍全生徒に対する割合で年々増加し,100名に対する発生率は1975年では0.68件であったものが,1989年においては1.19件となっていた.以上から小児骨折の増加の可能性が高いと判断された.
その要因を検討するため同報告書の骨折既往者で調査時(前回1981年,今回1990年)小中学校に在籍している者と対照としてそれらの学籍番号の前後の者に,受傷時の状況,運動能力,体格,食生活についてアンケート調査を行なった.また,骨折既往者は加療機関でX線調査を行なって骨折が確認できた骨折群とアンケートで骨折の既往がないとしたものを対照群として比較した.その結果,運動能力において骨折群が対照群に比してまさる傾向を示した.また,男子の身長,体重とも骨折群が対象群を上まわる傾向を認めた.
骨折の受傷状況は,スポーツ活動中の割合が前回28.4%が今回38.6%と増加していた.これらの結果からスポーツ活動の活発化が小児骨折の増加の要因として考えられた.
「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
また,1975年から1989年までの日本体育健康センターの災害調査報告書から抽出した骨折件数は在籍全生徒に対する割合で年々増加し,100名に対する発生率は1975年では0.68件であったものが,1989年においては1.19件となっていた.以上から小児骨折の増加の可能性が高いと判断された.
その要因を検討するため同報告書の骨折既往者で調査時(前回1981年,今回1990年)小中学校に在籍している者と対照としてそれらの学籍番号の前後の者に,受傷時の状況,運動能力,体格,食生活についてアンケート調査を行なった.また,骨折既往者は加療機関でX線調査を行なって骨折が確認できた骨折群とアンケートで骨折の既往がないとしたものを対照群として比較した.その結果,運動能力において骨折群が対照群に比してまさる傾向を示した.また,男子の身長,体重とも骨折群が対象群を上まわる傾向を認めた.
骨折の受傷状況は,スポーツ活動中の割合が前回28.4%が今回38.6%と増加していた.これらの結果からスポーツ活動の活発化が小児骨折の増加の要因として考えられた.
「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 古賀良生, 武田和夫, 杉本英夫 |
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大学・機関名 | 新潟大学 |
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