信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 成年期女子アスリートの摂食行動調査

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13

 一本研究の目的は,わが国における成年期女子アスリートの摂食障害傾向を調べることであった.関西地域の大学における女子アスリートと一般学生を対象に,標準体重,体脂肪率,推定カロリー摂取量,栄養バランスおよび摂食行動が調査された.
 63名の新体操およびダンス選手群(GD),39名のバスケットボール選手群(BB),40名の陸上競技選手群(TF)および統制群として63名の一般学生(C)が本調査研究に参加した.その結果,GDおよびTF群は標準体重に対し,10%以上少ない体重を示す者が多く,とくにTF群では,C群と比較して有意に体重の変動率が大きかった.さらに,TF群は全群中最も体脂肪率が少なかった.
 3日間連続の食物摂取調査の結果,推定カロリー摂取量においては,BB群が最も大きな値を示したが,C,GD,TFの3群間に差は認められなかった.栄養摂取のバランスでは,GD群が他の群より,野菜類や果物類の摂取がより不足しているのにかかわらず,菓子類摂取の値が大きかった.
 最後に,摂食障害調査(eating disorder inventory)において,TF群がビンジ・イーティングや身体イメージの崩壊傾向が見られた.これらの結果は,カロリー摂取制限を強いられる女子アスリートは}彼女達のカロリー摂取に関して適格なガイドラインを示されなければ,摂食障害に陥る可能性があることを示唆していると思われる.

「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 竹中晃二*1, 今中美栄*2, 楠本恭久*3, 礒繁雄*4, Leonard D. Zaichkowsky*5, 野老稔*6, 徳家雅子*6, 伊達萬里子*6
大学・機関名 *1 岡山大学, *2 神戸リハビリテ−ション病院, *3 日本体育大学, *4 関西学院大学, *5 ボストン大学, *6 武庫川女子大学

キーワード

摂食障害女子アスリートカロリー摂取