徒歩通学は大学生の体力を向上させるか?
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13】
本研究は,女子大学生を対象にして,徒歩通学が呼吸循環系能力および脚筋力に及ぼす効果について検討するものである.被験者は健康な女子学生10名を選び,そのうち,5名を5週間急歩で徒歩通学させるグループ(徒歩通学群)とし,他の5名は自由に通学するグループ(コントロール群)とした.彼らに対し,体重,呼吸循環系能力,5分間走距離および等尺性最大脚伸展筋力を測定した.
徒歩通学中の平均心拍数は153±12拍であり,また通学時間は23.4±1.2分,通学日数は3.8±0.3日/週であった.徒歩通学後に1%水準で有意に最大酸素摂取量および5分間走距離の増加が認められた.また,脚筋力も増加する傾向がみられた。一方,コントロール群では,最大酸素摂取量および最高心拍数には変化がみられなかった.4週間の脱順化後での各測定値は,両群ともに徒歩通学後とほとんど同様の値を維持していた.最大下同一作業テストにおいては,徒歩通学後.の心拍数に1%水準で有意な低下が認められた.脱順化後においても,徒歩通学後と同様の値を示した.
以上のことから,5週間の坂道急歩の徒歩通学によって,呼吸循環系能力は向上することが明らかになり,急歩徒歩通学の有効性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
徒歩通学中の平均心拍数は153±12拍であり,また通学時間は23.4±1.2分,通学日数は3.8±0.3日/週であった.徒歩通学後に1%水準で有意に最大酸素摂取量および5分間走距離の増加が認められた.また,脚筋力も増加する傾向がみられた。一方,コントロール群では,最大酸素摂取量および最高心拍数には変化がみられなかった.4週間の脱順化後での各測定値は,両群ともに徒歩通学後とほとんど同様の値を維持していた.最大下同一作業テストにおいては,徒歩通学後.の心拍数に1%水準で有意な低下が認められた.脱順化後においても,徒歩通学後と同様の値を示した.
以上のことから,5週間の坂道急歩の徒歩通学によって,呼吸循環系能力は向上することが明らかになり,急歩徒歩通学の有効性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 岡田修一, 平川和文, 武井義明, 前田正登, 高田義弘 |
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大学・機関名 | 神戸大学 |
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