信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 筋疲労回復にはどのような方法が最も効果的か?

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13

 筋疲労に対してジョギング,マッサージ,ストレッチングのうち,いずれの回復方法が最も効果的であるかを明らかにするため,健康な成人男子4名を対象として,踵上げ動作により下腿三頭筋に筋疲労を起こさせ,電気刺激による誘発張力,随意の最大筋力および一定筋力発揮時の筋放電を疲労後1時間にわたって経時的に測定した.随意の最大筋力は各回復法ともコントロールに比べて回復が早かった.
 また,一定筋力発揮時の筋放電の平均周波数は,腓腹筋において筋疲労によって低下し,時間経過とともに回復するが,回復方法によって大きな差は認められなかった.さらに,最大の単収縮張力,収縮および弛緩の最大速度や平均速度はジョギングによる回復が最も早かった.一方,被検者自身の主観的な判断では,マッサージが最も気持ち良く,また,ストレッチングやマッサージによって遅発性の筋痛が抑えられたとの解答が多かった.
 以上の結果から,筋そのものの収縮機能を回復させるには,ジョギングなど全身を使った軽運動による積極的な休息方法が最も効果的であるが,精神的な疲労回復や筋痛を抑える意味では,ストレッチングやマッサージも有用であることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 石田浩司*1, 高石鉄雄*2, 宮村実晴*1
大学・機関名 *1 名古屋大学, *2 名古屋市立大学

キーワード

筋疲労回復方法随意の最大筋力