信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 体育館内の照度が運動遂行能に与える影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.17 Vol.17

 環境温26℃,相対湿度60%の人工気候室で20〜24歳の女子を被験者として,異なる2種類の光条件が握力運動に与える影響を研究した.被験者は10時から18時まで50Lux(“Dim”)あるいは5,000Lux(“Bright”)の異なる光条件下で過ごした.その後,18時から22時まで50Luxの同光条件下で安静の後22時から翌日の6時まで消灯し,就寝した.起床後6時から6時半まで再度50Luxの同光条件下で安静した後Hand ergometerにより疲労するまで握力運動を行った.前日10時から18時まで異なる光条件の影響を検討するために,Hand ergometerによる,疲労するまで握力運動回数を比較した.得られた主な結果は,つぎのようにまとめられる.1)握力運動回数は“Dim”と“Bright”の両条件下でそれぞれ767±43(mean±SEM),865±55で有意差が認められた(P<0.01) 2)直腸温は“Dim”より“Bright”条件下で有意に低かった3)6時起床後の唾液乳酸濃度は“Dim”と“Bright”の両条件下でそれぞれ5.0±0.95,4.03±0.79で有意差が認められた(P<0.05).これらの知見は,室内の照明環境が運動能力に影響を与えることを示唆するものである.

「デサントスポーツ科学」第17巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 張萍, 登倉尋実
大学・機関名 奈良女子大学

キーワード

光条件握力運動握力運動回数