信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF スキーヤーの事故とPL法

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.17 Vol.17

 スキー靴,スキーウェア,サングラスなど様々なスキー用晶が製造物責任法(PL法)と関わる可能性がある.メーカーは極力安全な用具の提供に努める必要がある.とくにビンディングに関しては,調整等の作業がPL法の「加工」に該当することから,ISOの規格に従う調整が重要となる.正確な調整作業を示す記録は,事故に際し調整者の責任を回避するために有効である.安全に関する十分な情報提供や説明表示がなされない場合,警告等の欠陥を問われることも考えられ,製造メーカーだけではなく販売店やレンタル店等の責任も問題になる.
 同意書に関しては,決して訴訟の危険から販売店等を保証するものではないが,アメリカ,カナダにおいては,正しい手続きを踏み作成された同意書は法的にも効果があるとの判断がなされている.法制度が異なるとはいえ,わが国においても事故の訴訟に備えて記録の保存と正当な手続きによる同意書の活用について検討する必要がある.

「デサントスポーツ科学」第17巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 水沢利栄
大学・機関名 福井大学

キーワード

スキー用品製造物責任法(PL法)ビンディングISOの規格