信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 球技系スポーツ選手のための血中乳酸カーブテスト法の開発と持久的トレーニングへの応用

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.24 Vol.24

 本研究の目的は,球技系スポーツ選手に特化したLactate threshold(LT)決定テスト法を確立するため,サッカー選手を対象として,改良されたマルチシャトルランテスト中のBLa動態からLTを決定することである.さらにそのLTが最大乳酸定常(MaxLass)となる運動強度を示しているかどうかを20分間の一定負荷シャトルランテストによって明らかにし,本テストの有用性とトレーニングへの応用について検討することである.被験者は大学生サッカー部に所属する男子10名であった.改良したマルチテストにおいてlevelを2つ経過するごとにBLaの測定を行った結果,全被験者においてBLaの急激な上昇がみられ,LTの決定を行うことができた.求められたLTは,20分間一定負荷シャトルランテストにおけるMaxLassより有意な高値を示したが,それらには有意な相関関係がみられた.LTでのBLaは,MaxLassでの平均BLaよりも有意な低値を示した.20分間一定負荷シャトルランテスト時におけるLTおよびMaxLassでのlevelにおいて,最大BLaはMaxLassに比べLTにおいて有意な高値を示した.一方,平均HRでは両群に有意な差は認められなかった.また通常マルチテストでの最大走速度とMaxLassとなった走速度において1%水準で有意な相関関係が見られた.LT決定のために使われた本テストは,トレーニングの現場において実践的で有効な方法であると思われた.

「デサントスポーツ科学」第24巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 若吉浩二,福本隆行,尾関美和,田口博之
大学・機関名 奈良教育大学

キーワード

血中乳酸シャトルランテスト最大乳酸定常乳酸性作業閾値