加齢により蓄積される筋内脂肪量と筋量との関係
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.34 Vol.34】
要旨
超音波断層法によるエコー強度を指標として筋内脂肪量の評価を行い評価した筋内脂肪と磁気共鳴映像法(MRI)を用いて評価した筋量との関連について検討した.健常成人男女20名(若齢群10名,高齢群10名)において,右大腿中央部の外側広筋(VL)と大腿二頭筋・長頭(BFl)のエコー強度と筋横断面積(CSA)を測定した.エコー強度はグレースケールを基に筋内の領域に含まれる全てのピクセルの平均値を算出した.臨床用の3テスラMR装置を用いて大腿部中央の横断像を撮影し,得られた横断像からVLとBFlのCSAを算出した.高齢群は若齢群と比較して,VLおよびBFlのエコー強度が有意に高値(ともにp<0.001)を示し,CSAが有意に低値(VL, p<0.01; BFl, p<0.05)を示した.また,VLおよびBFlにおけるエコー強度とCSAを大腿長で補正した筋量との間には,若齢群と高齢群ともに,有意な相関関係は認められなかった.以上の結果から,若齢群,高齢群ともに筋内脂肪量と筋量は関連していないことが示された.
「デサントスポーツ科学」第34巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
超音波断層法によるエコー強度を指標として筋内脂肪量の評価を行い評価した筋内脂肪と磁気共鳴映像法(MRI)を用いて評価した筋量との関連について検討した.健常成人男女20名(若齢群10名,高齢群10名)において,右大腿中央部の外側広筋(VL)と大腿二頭筋・長頭(BFl)のエコー強度と筋横断面積(CSA)を測定した.エコー強度はグレースケールを基に筋内の領域に含まれる全てのピクセルの平均値を算出した.臨床用の3テスラMR装置を用いて大腿部中央の横断像を撮影し,得られた横断像からVLとBFlのCSAを算出した.高齢群は若齢群と比較して,VLおよびBFlのエコー強度が有意に高値(ともにp<0.001)を示し,CSAが有意に低値(VL, p<0.01; BFl, p<0.05)を示した.また,VLおよびBFlにおけるエコー強度とCSAを大腿長で補正した筋量との間には,若齢群と高齢群ともに,有意な相関関係は認められなかった.以上の結果から,若齢群,高齢群ともに筋内脂肪量と筋量は関連していないことが示された.
「デサントスポーツ科学」第34巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 押田芳治*1,秋間広*1,小池晃彦*1,島岡清*2,日置麻也*1 |
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大学・機関名 | *1 名古屋大学,*2 東海学園大学 |
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