信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF ポリエステル化繊を原因とする新規接触性皮膚炎診断法の開発と患者頻度の介入調査

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.34 Vol.34

 要旨

 本研究では,化繊を着用した際にかゆみやただれといった症状を呈する接触性皮膚炎の原因を明らかにするために,被服学科女子学生にアンケート調査を行った.また著者らが皮膚障害を起こしにくい化繊として開発した新素材繊維がかゆみを抑えるメカニズムを明らかにするために着用実験後の汗の金属成分の分析を行った.その結果,医療的ケアが必要な症状を経験した被験者は21.5%いることがわかった.症状を引き起こした素材は「ナイロン」と回答した被験者が有意に多く,羊毛,ポリエステルの順に多かった.繊維を着用して症状を引き起こした行動についての回答では,運動後や汗かき後と回答した被験者が多く,ニッケルメッキと推測される装飾で症状が現れた被験者が多かったことから,繊維に染み込んだ汗の金属元素が,皮膚に刺激を与えていると考えられ,それはICP-MS分析でニッケルやクロム,鉄をはじめとする14元素の中にある可能性が考えられた.

「デサントスポーツ科学」第34巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 弘田量二*1,水谷千代美*2,川之上豊*2
大学・機関名 *1 高知大学,*2 大妻女子大学

キーワード

化繊接触性皮膚炎ニッケル