信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 毛管現象を付与した自己発汗式冷却下着の開発と検証

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.41 Vol.41

 要旨

 体温低下機構として人体は発汗機能を有している.これまでに我々は,衣服が自発的に「発汗」し蒸散することで体温を下げる「自己発汗式冷却下着」を作成,有用性を証明した.これは衣服表面のチューブ内を冷却水が還流する「水冷式」と,そのチューブ内の細孔から水を浸出,蒸散させて冷却する「蒸散式」双方で身体を冷却する方式である.今回,細孔からの水圧による浸出(細孔式)ではなく,毛管現象でによる浸出(毛管式)を実現し身体冷却機能を比較した.6名の健康被検者にサイクルエルゴメーターで30W, 60W, 90W, 120Wそれぞれ3分間の運動を行わせ,皮膚温と衣服内湿度の変化を同時に計測,解析した.細孔式,毛管式両者ともに時間経過とともに皮膚温は低下したが,毛管式の方が,有意に低下した.衣服内湿度変化は両者に有意差を認めなかった.毛管式の方が,衣服内湿度をより上げることなく高い冷却効果を得られることがわかった.

 「デサントスポーツ科学」 第41巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 田中邦彦*1,西村直紀*2
大学・機関名 *1 岐阜医療科学大学,*2 日本福祉大学

キーワード

発汗冷却服毛管現象蒸散体温調節