信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 血圧改善のため概日リズムを用いた運動療法の効果に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.38 Vol.38

 要旨

 平成23年度の高血圧患者数は907万であり,治療を受けていない高血圧前症を含めると,推定4000万人以上とも言われている.高血圧前症のヒトに対して,高血圧にならないための適切な血圧改善手段が必要である.歩行など有酸素運動の血圧改善効果は多くの研究により示されたが,体格や運動開始時間の違いにより内分泌の反応も異なり,血圧改善に及ぼす可能性がある.そこで,本研究はサーカディアンリズムを念頭に運動開始のタイミングに注目し,血圧改善の効果を検討した.6名の高血圧前症がある対象者が,サーカディアンリズムに基づいた高体温期に運動する午後組及び朝または夜に歩行運動する対照組に分類し,一ヶ月の歩行運動を実施した.One-Way ANOVA及びStudent t testによって,歩行運動は朝及び夜の収縮期血圧の改善に有効であったが(p<0.05),昼間の血圧改善の効果は少かった.さらに,午後組は対照組に比べて,収縮期血圧の改善がより大きい可能性も示した.

「デサントスポーツ科学」第38巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 黄銘*1, 田村俊世*2
大学・機関名 *1 奈良先端科学技術大学院大学, *2 早稲田大学

キーワード

高血圧歩行概日リズムウェアラブル・デバイス深部体温