信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 車いすバスケットボール選手における不活動と活動骨格筋の異所性脂肪量と皮下組織厚との関連-超音波エコーを用いて下肢(不活動)骨格筋と上肢(活動)骨格筋の異所性脂肪を同定する新たなる試み-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.38 Vol.38

 要旨

 超音波エコーを用いて定量化した異所性脂肪と筋厚,皮下脂肪厚との関係について,上腕部と大腿部において検討した.車いすバスケットボール男性選手8名(平均年齢41.0±10.3歳)において,右上腕前面60%遠位の上腕二頭筋(Bi)と大腿中央の大腿直筋(RF)のエコー強度,筋厚と同部位の皮下脂肪厚を測定した.異所性脂肪は,超音波を用いたエコー強度により定量化した.エコー強度はグレースケールを基に筋内の領域に含まれる全てのピクセルの平均値を算出した.RFはBiと比較して,エコー強度は有意に高値を示した(p<0.05).RFとBiのエコー強度と筋厚は有意な負の相関関係を認めたが(ともにp<0.05),エコー強度と皮下脂肪厚の関係は両筋ともに両者間の関係を認めなかった.年齢を制御変数とした偏相関係数では,RFのエコー強度と筋厚との間に有意な負の相関関係を認めたが(p<0.05),Biでは両者間の関係を認めなかった.以上の結果から,大腿部において,異所性脂肪量と筋量は関連していることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第38巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 日置麻也, 久米秀作
大学・機関名 帝京平成大学

キーワード

車いす選手異所性脂肪超音波断層法不活動筋筋厚