お知らせ

第47回日本医学教育学会大会

平成27年7月24日〜25日にかけて第47回日本医学教育学会大会が朱鷺メッセ(新潟市)で開催され、多田剛センター長が「1診療チームに1学生を配置するクリニカルクラークシップに向けた出張医学教育FD」の演題にて、現在取り組んでいる「150通りの選択肢からなる参加型臨床実習」プロジェクトを中心とした臨床実習改革に向けた取り組みを報告致しました。

平成27年3月末までに出張FDを25病院で2回、8病院で1回実施しました。受講者は延べ1693名でした。FDを実施したことで、受講者らに医学教育改革の必要性や、診療参加型臨床実習の意義への理解が広がりました。病院長は病院全体の活性化に有用であるという観点から学生の受け入れに積極的であった一方、現場の指導医には負担の増加を否定的に捉える意識も強く、学生は全てを学んでから臨床実習に参加すべきだという意識も見られました。現場の医師の理解を得るためには、FDを複数回実施することが必須と考えられました。

その他、当センターからは以下の演題を発表致しました。

森淳一郎ら. 学生は授業時間の短縮をどのようにとらえているか 〜授業時間を90分から60分に変更して〜.

平成23年度入学生より、 臨床実習期間の延長および講義時間の短縮を含むカリキュラム改変を行った。具体的には臨床実習の開始時期を前倒すことで2年間の実習期間を確保し、臨床実習以前の年次で行われる講義については、全体のコマ数を変更することなく1コマの講義時間を90分から60分に変更することで授業時間を約2/3に圧縮した。講義時間の短縮前後の学年を比較し、授業時間の短縮が学力にどのような影響を与えたかを分析するために、旧カリキュラム2年分(277名)と新カリキュラム2学年分(230名)が受講した平成27年4月までに実施された講義のうち、同一の主任担当教員の下で行われた講義の学期末の成績および共用試験実施評価機構主催で全国統一規格のもと行われるコンピューターベースドテスト(CBT)の結果がどのように変化したかT検定により検定した。該当する講義は基礎系5教科、臨床系5教科、合計10の講義であった。なお、新・旧カリキュラムをまたぐ留年をした学生の成績は調査対象外とした。対象となった10授業のうち、6つで学生の成績は有意に向上した(P<0.05)。また、3つの授業では学生の成績に有意な変化は認めず、1つでは優位に学力が低下するという結果となった。10授業の成績平均は、旧カリキュラム79.8点に対し新カリキュラム79.6点であり、成績に差が無かった。CBTについても、新・旧カリキュラム学生の成績に有意差が無かった。CBT不合格者の数は、旧カリキュラム12名に対し新カリキュラム12名であった。

清水郁夫ら. 血液形態自己学習用eラーニング教材開発の試み.

黒川由美ら. 医学部初年児教育に英語版「Human Biology」を用いたグループ学習主体のヒト生物学の授業の試み.

参考:第47回日本医学教育学会大会サイト(http://shinsen.biz/jsme47/

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