2014年9月24日から28日にわたって、第15回アジア・オセアニア放射線学会(AOCR2014)ならびに第50回日本医学放射線秋季臨床大会が、神戸で開催されました。
AOCR2014では、角谷眞澄教授が”Current MR Imaging of Hepatocellular Carcinoma” と題するEducational Lectureを、山田哲先生が“Compartment Model Analysis of Hemodynamics in Hepatocellular Carcinoma with Use of Single-level Dynamic CT during Hepatic Arteriography: A Comparison with Outcome of Trans-arterial Chemo-embolization”と題する一般演題をそれぞれ口演で行いました。
第50回日本医学放射線秋季臨床大会では、藤永康成先生が”Dynamic contrast-enhanced MRI(DCE-MRI) using Gd-EOB-DTPA: From the viewpoint of the imaging technique”と題してEOB-MRIに関する教育講演を行いました。私は、“MRIで癒着胎盤と診断し、内腸骨動脈バルーンカテーテル留置術を施行した一例”と題して、ポスターで演題発表しました。発表にあたっては、多くの先生に個別でのご指導や予行演習でのご意見を賜り、大変勉強になりました。紙面を借りて感謝申し上げます。
秋季臨床大会で併催された第27回電子情報研究会学術集会は、上田和彦先生を当番世話人として当教室主管で開催されました。上田先生の抜群の企画力が反映され、興味深い講演や今日から活用できるTIPSが満載で、会場は多数の参加者で大盛況でした。個人的には、Evernoteの活用に関する講演が大変参考になりました。
今回の秋季大会はAOCRが合同開催されたこともあり、アジア各国からの参加者も多くみられました。なかでも私が印象的だったのは、腹部結核におけるCTとUSの診断能を比較したパキスタンからの演者による発表です。この報告では、10 mm厚の単純CTとUSを比較しており、我々が日常臨床で使用しているものと比べて著しく厚いスライスでした。普段、当たり前のように使用している医療機器も、世界に目を向けると国によっては経済的な問題で普及していないこともあります。殊に放射線医学に関しては、おかれた環境によって、できることも限られることがよくわかり、自分がいかに良い環境にいるかを実感しました。
来年の入局が有望視される2名の研修医も学会に参加してくれました。夜には両先生と食事をともにすることができ、良き懇親の場となりました。多くの後輩たちが入局し、一緒に診療と研究に精進することを楽しみにしています。(鈴木 健史)