平成26年5月24日、長野赤十字病院南新棟2階第1研修ホールにて、第55回信州放射線談話会が行われました。この会は長野県内の放射線科医が集まり、各施設での貴重な症例や研究成果などを報告する会として年2回開催されています。
演題発表は放射線診断/IVRのセッションと放射線治療セッションの2部で構成されています。当教室からは、松下大秀先生が「I-131による甲状腺癌アブレーションにおけるタイロゲン®使用の初期経験」、川上聡先生 が「長野県および上小地域における放射線科領域の医療現状分析と放射線科教育体制の充実−長野県上小地区医療再生計画研究事業における分担研究4年間のまとめ−」をそれぞれ発表しました。
最後に山田哲先生によるミニレクチャー「肝血流動態・機能の定量的画像解析」が行われました。山田先生がこれまで行ってきた研究の総決算となる内容で、single level dyanmic CTHAや細胞外液性Gd造影剤、肝細胞特異性Gd造影剤(Gd-EOB-DTPA)のMRIを用いて、これらの血流動態をコンパートメントモデルに基づき解析したものでした。日常の読影ではまだ意識することが少ない「定量的画像評価」が、この領域で近い将来には可能となるのではないかと、大いに期待が膨らみました。
その後の懇親会では、新入医局員2人の先生の挨拶があり、参加者の投票による優秀演題賞3題が発表されました。当教室の松下大秀先生の演題と長野市民病院の岡島幸紀先生の演題「腹腔動脈根部狭窄を伴う十二指腸乳頭部出血に対するIVRの1例」が表彰されました。そして、今回の得票数第1位を獲得したのは、飯田市立病院の渡辺智文先生の演題「心臓粘液腫の2例」でした。大変教育的な内容で、多くの先生方の支持を得たのだと思いました。
長野県内他施設の診療の様子も知ることのできる良い機会でした。今回学んだ知識を日々の診療に役立てたいと思います。(小松大祐)
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