活動報告

「地域医療実習」の報告会を開催しました

平成30年11月9日に夏季休業中に実施した推薦入学学生3年生(4年生1名)を対象とした地域医療実習の報告会を開催しました。5名の実習担当の指導医の先生方にも参加いただき学生との意見交換を行いました。

平成30年度夏季地域医療実習 実習施設(参加学生14名)

①国保小谷村診療所
②市立大町総合病院
③上田市武石診療所
④佐久総合病院付属小海診療所
⑤佐久総合病院地域ケア科
⑥リバーサイドクリニック
⑦町立辰野病院
⑧伊那市国保美和診療所
⑨長野県立阿南病院

以下が参加学生の感想の抜粋です。

・患者の抱える問題の全てを医師が解決しようとするのではなく、専門の職種と協力することでその問題を解決できるということを私に感じさせた。

・座学で学んでいるとつい忘れてしまいそうな「医学は私たちが学び、それを患者に還元してこそ意味をもつ」ということを実感できた。

・3日間の実習を通して感じたことは地域医療の必要性と、地域医療の状況を実際に自分の目で見ることの重要性であった。地域医療には様々な地域が含まれるため、医療の在り方や対応方法は千差万別である。それを理解したうえで自分自身の医師としての知識を深め総合的な診療を可能にするとともに、住民の生活を医療の面から支える方法を地域ごとの特色に合わせて考えていくことがこれから医師になる私たちにとって重要な課題になってくると考えた。

・地域医療においては地域の様々な人が医療を支えていると実感した。地域住民と良好な関係を築き、お互い様の関係を作っていくことが地域医療において非常に大切であると感じた。病気についてはまだまだ知識がなく、診察などでは分からないことも多かったが、この時期に実習を行うからこそ、患者さんの視点からも地域医療について考えることができたと思う。

・地域医療について、自分はとても甘い認識を持っていたと痛感した。地域医療をするにあたっては、一つ一つの家庭に背景や様々な事情があり、それを考慮にいれつつ、満足度の高い看取りを協働して実現するために、あらゆる方向から考え、時に優しく時に冷徹にならなければならないのだと感じた。

・医師の皆さんのキャリアを聞いて、また新しい選択肢を発見できました。私が自身のキャリアを現実的に考え始めるのはまだまだ先ですが、その時が来たらおそらく今回の実習のことを思い出すと思います。今回の実習で出会った医師や看護師の皆さんにいつか胸を張って再会できるように今後も努力を続けていきたいです。

・先生が「奥さんのために、介護を本当に頑張っていますね。」と言うと、旦那さんは思わず涙していました。本当は大変な思いもあった旦那さんの気持ちが、先生の心からの声かけで溢れてしまったのではないかと思います。忘れられない光景です。素晴らしい先生方の背中を見させていただいたことで、自分もその背中に近づけるよう頑張りたいと思えました。

・本来3年生で参加する実習ですが4年生で参加して良かった点も悪かった点もあるので報告します。良かった点は4年になると一通りの臨床医学の知識が身につくので診察を見学しているだけで勉強になります。そのため退屈な瞬間がありませんでした。今後の臨床実習に向けてのモチベーションにもなります。悪かった点としては中途半端に医学の知識が身についているのでどうしても視点が医療者の側へ寄ることです。なるべく患者さんの視点に立って、と心がけていましたが多分3年生とは感じ方が随分違っていたのではないかと思います。

・先生方がお話しされている中で、「こういう病院だとできる治療も大病院に比べると限られてくる。どのタイミングで転院させるのかとかいつも悩んでいる。」というお話を聞き、病院によって求められる力も変わるのだなと実感しました

・大学に入学して以来、座学で知識ばかり追求して、入学当時の地域に貢献したいという思いを忘れてしまっていたが、この実習を通してその思いを思い出すことができた。

・自治体や、先生は村に住んでいる方々が住みやすいようになにかしてあげようと奮闘している様子がとても伝わってきて、人口などのデータを見る限りでは同じような村があっても、このような頼もしい人たちがいるだけでとても幸せな村だと思いました。

・診療所は、大学病院や中枢病院とは異なり、患者さんとの距離間がとても近くて、先生の言葉を借りると日常を感じることができる場所でした。

・地域のことを知るのはコミュニケーションの第一歩だと感じた