信州大学 伊東研究室 HPへようこそ
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2026. 3. 3 ホームページリニューアルしました(トップページと研究)
- 研究室の概要
伊東研究室では、有機半導体やナノシート、量子ドットなど厚さや大きさがナノメートル(10億分の1メートル)サイズの新材料や 柔軟な高分子などの絶縁体(誘電体)を組合わせて以下のような開発を目指しています。
ざっくり言うと「ナノ分子エレクトロニクス」であったり、いくつかは「有機エレクトロニクス」と呼ばれ、 ナノ材料や有機分子(化学)と電子工学(エレクトロニクス)の融合により生まれる新しい応用や学問(メカニズム)の探求を行っています。
また、再生可能エネルギーの中でも、光(太陽電池)・水(水滴や水流)・振動や変形を電気エネルギーに変える新技術と融合を目指した研究にも精力的に取り組んでいます
(i)光を電気に変換する太陽電池、特に高起電力を可能とする半透明ペロブスカイト太陽電池や半透明次世代太陽電池の開発を目指す
(ii) 摩擦帯電で生じる電圧を従来の10倍以上にした「超巨大表面電位」を用いたマイクロ(環境)発電デバイスの開発
例:「水滴の落下や水の流れ、柔軟なフィルムの変形・振動を高出力の電気エネルギーに変換する」
(iii) 水と太陽光を活用し、植物生育にも資する環境発電デバイスの開発と高性能化を目指す
( 上記の(i)+(ii)+αを目指す )
(iv) 塗って作れる有機ELや有機ELと量子ドットの利点を組み合わせた新しい高性能な発光ダイオード
(より明るく、省エネ、美しい発色の実現をめざす)
(v) 有機半導体や誘電体を組み合わせた、超薄膜コンデンサや、様々なフィルムに対応次世代のメモリーデバイス
(vi) CNTやグラフェンなどのナノカーボンと有機(高分子)材料を組み合わせた、世界一高速な湿度センサーやガスセンサ、柔軟性を活かした伸び縮み(動き)センサ等の開発と応用(例えば、ヘルスケア関連)
上記デバイスをより短時間で安くしかも均一な薄膜にしたり積層する技術を開発して実用化を目指す(新メニスカス塗布法や転写法、真空蒸着法の改良と融合)
例えば、ペロブスカイト太陽電池は既に1つのセルから1.1V近い起電力、Siでは0.6V程度なので約2倍の電圧を出力できますが、半導体層のエネルギーギャップを大きくして調整することで 1.5Vを超えることも可能です。
これまでは、起電力が高い太陽電池は近赤外や赤い色の光を捨てるため、効率が大きく低下していましたが、1.5V以上の起電力と電力変換効率10%以上を両立することは理論的にじゅうぶん可能です。
1つのセルで1.5V以上を太陽光や室内の光で出力できれば、既存の様々な電子回路・部品を動作可能となり、太陽電池の活用の幅が大きく広がる可能性が高まります。
当研究室で開発中の水滴発電デバイスの出力は、この数年間で桁違いに向上しており、水滴1滴(10~100μL)の落下で 1~10 μWオーダーだったのが、今や瞬間的なものですが 100 mW オーダーと 1万倍に高性能化しています!
1平米あたりに換算すると、数kW/平米と太陽光発電 (効率20%の場合に約200W/平米) の10倍以上です。 さらに10倍に向上すれば 100倍という高出力の電力源となり、時間平均したとしても太陽光発電と相補的に発電する次世代環境発電の実現の可能性があります。
その秘訣は、ナノ材料やナノ帯電現象を基盤としたオリジナルの電気磁気学や誘電体工学と半導体工学の融合技術です
私たちは、ナノ・分子材料や誘電体膜の機能や知識を最大活用して、柔軟で高性能、しかも低コストで環境に優しい省エネ発光デバイスやセンサ、エネルギーハーベスティング技術の開発で電気・電子工学の発展の継続に貢献することを目指しています。
- 卒業後の未来像
電子材料・デバイス(部品)は一見目立たないけど、コンデンサやそこから発展した産業は日本・世界の電気電子産業の要です。電気電子工学分野は非常に広く多様な業界への進路が考えられますが、自分で作った物が工夫とアイデアで何倍にも性能が向上する過程や達成感を通して、自力を付ければ飛躍が期待できます。また、上記のように、低温・塗布プロセスで実現する、高性能デバイスは2020~2030年代に性能、応用面で大きく広がり全く新しい産業を創出する可能性があります。例えば、フィルムタイプの太陽電池やセンサといったものは有機系材料が使われますが、これらの市場は2030年代までに100倍以上に急成長することが期待されています。チャレンジ精神次第で、技術開発者として、大きく成長してくれることを期待しています。
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