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写真:産業論特論

平成21年度 第2回 高橋 潔先生(神戸大学大学院経営学研究科教授)の講義が行われました。

平成21年4月22日 第2回 高橋 潔先生(神戸大学大学院経営学研究科教授)の講義が行われました。

テーマ:「リーダーシップはなぜ必要か」 

 

第2回講義においては、神戸大学大学院経営学研究科の高橋潔教授より、「リーダーシップはなぜ必要か」と題して、リーダーシップ論のエッセンスを簡潔にご講義いただいた。リーダーシップは資産として評価できないため、経済学では扱えないが、効果的なリーダーシップが組織力を形づくり、その組織力が企業の競争優位性の源泉を担うことから、経営学には豊富な理論的蓄積がある。そして、リーダーが果たす機能から、4タイプに類型化し、それぞれの要素などを例に示しつつ紹介された。4タイプのリーダーシップとは、第一には、仕事を指示し大きなビジョンを描き、業務や課題を遂行していく業務遂行型リーダーシップがある。第二には、部下を大切にし、大勢を巻き込む対人関係に配慮したチームワーク型リーダーシップがある。第三には、求めるべき将来像をビジョンとして示し、常識や価値観などに疑問を投げかけ、創造的で知的な刺激を与えるなどを内容とする、部下の価値観、思考様式、態度などを変えていく変革型リーダーシップがある。さらに、第四には、わが国では重要視される、部下を育成していく育成型リーダーシップがある。これは、サーバント・リーダーシップやメンターシップと近い関係にたつ。以上を、心理学研究などを踏まえつつ、理性・業務重視か、感情・対人重視かという軸と、現在志向的か、未来志向的かという軸により、上記の4類型をマトリックスで示された。そして、マネジャーは仕事を完遂し、チームワークを促進する一方、リーダーは将来を示し、部下を育成する。変革と未来を語らないリーダーにリーダーシップはないとされたうえで、リーダーは、それぞれの頭の中に、将来の像・イメージを描かせることがきわめて重要である。人はどうしても現在に引きずられやすいが、未来志向で考えることが必要であると述べられた。その後、ひとつの例として、星野佳路氏のリーダーシップについて、ご紹介いただいた。