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のど元過ぎれば...
2011年04月18日
4月11日、東北地方を再び大きな地震が襲いました。
前回、調査をしている寺院の蔵の整理をしたわけですが、後々も大きな余震が襲うことは充分理解していたはずなのに、うっかり元の状態に戻して帰ってきてしまいました。
頭ではわかっているつもりでも…
そこに住んでいないことの甘えですね。
再び、いわきへ行ってきました。
この寺院は、如来寺といって、鎌倉時代から室町時代にかけて、東北における浄土宗(名越派)の本山でした。同時代から室町時代にかけての古写本も数多く残されており、13年かけて行ってきた調査も、今年中には終わる予定でした。
原発の状況が悪化しないことを祈るばかりです(もちろん、書物などより、住民の皆さんの方が大事であることは言うまでもありません)。
ついでに、如来寺から本山を受け継いだ専称寺の様子も見てきました。
専称寺の本堂は国の重要文化財に指定されていますが、老朽化が進んでおり、本堂の後ろからワイヤーで引っ張っている状態なのです。
行ってみると、まだなんとか持ちこたえていました。
しかし、本堂の壁には、あちこちにひびが入っており、果たして、今後の余震に持ちこたえることができるのか、不安になります。
写真には載せていませんが、惣門(入り口の門)や、歴代住職のお墓などもかなりの被害が出ています。
ご厚意、感謝いたします
2011年04月03日
11日の震災から2週間ほど経っても状況が改善しないと、いわき市の知人から聞きました。
①原発の影響で、若い人達(特に子どものいる家庭)は県外に避難してしまったこと。山間部は老人が多く、救援物資も届かない。取りに来いと言われてもガソリンはないし、行ったところで、長時間並ぶことができない。
②沿岸部は、津波によって壊滅した地区がいくつもあり、まだまだ物資が足りない。
ということで、とりあえず、山間部・沿岸部の2地区に物資を届けに行ってきました。
運んだものは、以下の通りです。「かさばらずに多くの人の口に入る」ことがポイントでした。
蕎麦100キロ(おおよそ千食分、つゆ付き)、カットわかめ10キロ、高野豆腐10キロ、切干大根10キロ、出汁つゆ20リットル、ふりかけ5キロ、魚肉ソーセージ400本、ネギ2箱、バナナ30キロ、みそ汁(200袋)、コーヒー(100杯分)
蕎麦に関しては、鎌倉麺業(松本市女鳥羽)様から無償で提供いただきました。また、平福寺(岡谷市)御住職様、総代様からも並々ならぬご厚意をいただきました。
本当にありがとうございました。
心より感謝申し上げます。
山間部の地区(小川)と、沿岸部の地区の人達の避難所(藤間中学校)と、2箇所に物資を届けました。どうみても物資に余裕があるようには見えませんでした。
いわき市は、平成の大合併以前は、日本一広い市でしたので、状況は一様ではありません。
いち早く水道が復旧したため、避難所が作られず、結果として配給物が来ないといった地区もありました。
コンビニやスーパーには少しずつですが物資が運ばれてきています。4月には配給が止まるといった噂が流れていましたが、そんなことをして大丈夫なんでしょうか。そもそも全国から送られてきた救援物資が集荷場で滞っているという噂も聞こえてきますが…
恐ろしい風景をたくさん見てきました。
損壊した家屋、折り重なるように港に沈んでいる船…
天気が良かったので、抜けるような青空と、その下に広がる惨状のギャップに、また恐ろしさがこみ上げてきました。
必死に片付けをしている人達にカメラを向けることが出来ませんでした。
「報道の使命」というのはなかなか大変なことですね(そういう風には見えない報道もあったような気がしますが)。