信州大学農学部 近未来農林総合科学教育研究センター
バイオリソース部門(生物資源研究室)
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Education

・オープンキャンパス 体験実験(平成24年8月4日)

「牛が草を栄養にできる理由を探る」
牛は草を食べて大きくなります。それは人間とは違う消化のしくみを持ち、草の主な成分である繊維を栄養にできるからです。
人間と牛の消化のしくみを人工的に再現してみて、それぞれが何を食べて生きていけるかを一緒に考えてみませんか?


*解説はこちら (PDFで開きます)


photo01 2種類の人工消化液が入ったチューブと
2種類の植物が入った包みを用意
[A]にはトウモロコシ、[B]には牧草(チモシー)が0.2gずつ入っています
photo02 包みの中身を投入し、50℃で20-30分加温します

待っている間に顕微鏡観察
覗いてみてもらっているのは…学部で飼育しているの胃液です


*牛や羊には胃が4つありますが、そのうち第一胃と呼ばれる器官のものです.
photo04 牛が繊維を分解できるのは
胃液の中にいる微生物の働きによります
残念ながら顕微鏡では生きた微生物を観察できなかったので
撮影しておいた動画を、そばのパソコンを使って見てもらいました


見てもらった動画はこちら

非常に精力的に動いている様子がわかります
photo05 反応が終わったら分解物(グルコース)の定量です
別に用意しておいたチューブの中の試薬に
反応液を添加し、室温に5分ほど置きます
photo06 左から[1-A][1-B][2-A][2-B]の結果です
赤色が強いほどグルコースが多く生成していることを示します

[1-B]と[2-B]の比較で、人間の消化液[1]ではチモシーから
グルコースを得ることはほとんどできませんが
牛の消化液[2]ではそれが可能であることがわかります
photo4 [2-B]の組み合わせで一晩反応させたあとにグルコースを量ると
右側のように真っ赤になります
繊維を分解するのには時間がかかるんですね
photo08 今回の体験実験では非常に多くの方に集まっていただきました
小学生の方もいて、せっかくなのでマイクロピペットを使って貰いました
是非科学、できれば
食料生産科学に興味を持ち続けてください

暑い中よくお越しくださいました
来春此処でお会いしましょう

右は今回アシスタントの西嶋さん(食料生産科学科4年生)
同じく務めてくれた庭山さんともども、
献身的な働きにただ感謝です
photo4 もうひとり(一頭) 胃液を提供してくれた羊(名前はさくら)にも感謝
右下枠内が彼女の胃液です


集まってくださったみなさま、また力添えくださった先生・スタッフ各位に
厚く御礼申し上げます.


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