ATS出席報告

 

ATS(American Thoracic Society 米国胸部疾患学会)2023
International Conference参加報告

今回、5月19日~5月26日に米国ワシントンDCで開催されたATS 2023 国際学会に参加し、下里研究室の大学院修士2年の野村奈津実さんと、同じく修士1年の鈴木果穂さんがそれぞれ1演題を発表しました。


野村奈津実さんは、科学研究費・国際共同研究加速基金課題「免疫チェックポイント阻害乳酸菌による肺癌発癌予防・進展予防効果の検証」結果を報告し、呼吸器細胞分子生物分野での「Abstract Award」を受賞しました。ATSのtraineeが発表する研究課題から選ばれますが、17人の受賞者中12人がPhD保持者であり、大学院学生は3人のみという大変意義深い受賞で、野村さんが一際輝いておりました。指導いただいた生井楓先生(現在、東北大学農学部特任助教)に感謝いたします。
 

鈴木さんによるスピーチ


鈴木果穂さんは、AMEDの研究助成課題「Fine Droplet Drying テクノロジーによる経気道治療用ナノマイクロ粒子包埋医薬品の創出を目指した研究」を報告し、「Translational Research in IPF(特発性肺線維症)」の口演発表に採択されました。全部で16演題の口演発表者の中で、大学院学生の発表は鈴木さんだけでしたが、持ち時間をフルに使った堂々とした発表に、大物研究者の片鱗を感じました。 お二人とも大変お疲れ様でした。今後の益々の活躍を期待しております。

ATSのInternational Conferenceは年1回開催され、今年で119回目となる呼吸器領域では最も権威のある国際学会です。参加人数は1万5千人余りで、米国で開催される医学系国際学会としても上位10位に入る規模のものですが、コロナの終息傾向により今回は久々の盛況となりました。日本からの報告は、コロナ前には遠く及びませんが、海外の学会に地道に発表していくことは、キャリアアップのチャンスが確実に広がることをお伝えしたいと思います。私自身も2005年にATSで初めて学会発表を行い、その後の学会誌での論文報告を通じて、ATSのプログラム委員長から直々に委員への推薦の声が掛かりました。ちょうど米国に留学していた時期で、委員会への出席などのDutyもこなせたことから5年以上プログラム委員を務め、大変よい経験になりました。

来年の国際学会にも大学院生のみなさんと参加して、研究の醍醐味を分かち合いたいと思います。
 
(文責) 佐藤 隆(バイオメディカル研究所 特任教授)