[森林の再生・修復]
我が国は「森林国」といわれるほど森林が豊富な国です。しかし、全てがそうではありません。気象災害によって発生した山腹崩壊地における早期再生、ササに生育を阻害される場所での樹木の更新と成長促進を目的とした研究を行っています。 |
伊豆七島御蔵島の山腹崩壊地における植生回復 御蔵島では台風被害跡地において、植生修復を目的に、現地の樹木が植栽されました。現在、鳥の尾崩壊地と大舟戸崩壊地において、植栽された樹木と、周囲の森林から自然に進入した樹木や草本の動態を比較しています。信州大学AFCの荒瀬研究室との共同研究です(御蔵島,担当・岡野,2004-継続)。 研究成果 ・日本緑化工学会誌 35: 448-461, 2010. →要旨 ・中部森林研究 54: 3-4, 2006. ・中部森林研究 54: 13-14, 2006. ・中部森林研究 53: 11-12, 2005. |
|
木曽のササ被覆地におけるヒノキ更新技術の開発 伊勢湾台風(1959)によって崩壊した木曽ヒノキの天然林は、自然の力だけでは回復していません。この原因は実生の更新立地が、ササに被覆されたことだと考えられます。当研究室では、ササの成長を抑制する技術、そしてヒノキ実生の更新と成長を促進する技術の開発を目指しています(三浦実験林,担当・岡野,2006-継続)。 |
|
木曽ヒノキ更新稚樹の分布に及ぼす微地形と土壌特性の影響 ササの排除によりヒノキの更新が促進されますが,更新稚樹の粗密が数メートル単位で観察されます。このような小さなスケールでの更新の可否を決める要因として微地形や土壌特性が影響していることを明らかにしました(三浦実験林,担当・森本壮一郎,2013)。 研究成果 ・平成25年度中部森林技術交流発表会 ・2013年度卒業論文 |
|
カラマツ伐採跡地におけるブナ植栽木の定着と成長 拡大造林期にブナ帯に植栽されたカラマツ林の一部は、人工林としての成績が良くありませんでした。そこで、当研究室では、もう一度ブナ林に戻すために、カラマツを伐採し、ブナを植栽しました。今年はこの試みから15年目の経過調査を行いました(西駒演習林,担当・米山,1997-継続)。 研究成果 ・信州大学農学部AFC報告 8: 17-28, 2010→全文(機関リポジトリ) ・中部森林研究 53.pp.23-24, 2005. ・2009年度卒業論文 ・2004年度卒業論文 |
|
御蔵島におけるツゲノメイガ被害と林内環境 ツゲは御蔵島で資源植物として利用されてきました。人工造林も行われており,ツゲ材資源の持続的な利用を目指しています。しかしながら,ツゲノメイガが大発生し,その食害が大きな問題となりました。この研究では天然林とツゲ人工林でツゲノメイガの被害の実態を調べると共に,生育環境との関係を解析しています。(御蔵島,担当・矢川,2011-継続)。 研究成果 ・2011年度卒業論文 |