信州大学農学部附属AFC西駒ステーション

AFC西駒ステーションの位置は、中央アルプス北部の将棊頭山(しょうぎがしらやま,標高2730m)北東部の小黒川流域です。将棊頭山は木曽駒ヶ岳の北にあり,山体すべてが長野県に属しています。その標高1650mまでが山地帯,2570mまでが亜高山帯,山頂までが高山帯と変化に富んでいます。当研究室では、植生構造の垂直分布特性に関する研究や、ブナ林再生技術に関する研究を行っています。
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水無坂登山道に沿った植生の垂直分布

西駒横山1400 西駒横山1430
水無坂登山道の標高1400mから1500m付近までは小黒川に面しています。イタヤカエデやカツラなど多数の種が見られ、また、コケ類やシダ類も多く出現します。
西駒横山1500 西駒横山1670
標高1500mから1670mまでは左側のようなカラマツ人工林が多くを占めます。下層植生の特性から、もともとは右側のようなヤマボウシ−ブナ群集であったと推測されます。
西駒横山1950 西駒横山2150
標高1670mから2570mまでの亜高山帯には、主にシラビソ−オオシラビソ群集が成立しています。標高が高くなるにつれてササが薄くなってきます。また、局所的な攪乱跡地にはダケカンバ群集が成立することがあります。
西駒横山2700 西駒横山2730
山頂付近にはコケモモ−ハイマツ群集が表れます。ここでは高木が生育できず、ハイマツや矮生化したダケカンバが主要な樹種となります。右側の写真は山頂から農学部方面の眺望です。


Photo by M.Yokoyama



ブナ林再生の試み

西駒横山1400 西駒横山1430
西駒ステーションの標高1650mまではカラマツ人工林が広がっています。1995年、このカラマツ人工林の一部に、もとの植生であるブナ林に戻す人工植栽試験地が設定されました(左)。これまでに約5年おきに継続的に調査が行われています(右)。グリーンのポールの場所に植栽されたブナがありますが、ほとんどが高さ1m未満です。
西駒横山1500 西駒横山1670
順調に生育している個体は少なく、カモシカの食害のために成長が阻害されている個体が多く見受けられます。
西駒横山1950 西駒横山2150
また、前年度に形成された冬芽が展開せずに、枯れてしまう現象も認められました。
西駒横山2700 西駒横山2730
近傍にはブナの大木が存在し、また、実を付けることも確認されています。しかしながら、地表で更新している稚樹はほとんどありません。


Photo by H.Yoneyama







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