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VRと霧箱で体感するアマテラス粒子の世界 長野市立柳町中学校で特別授業

推進動力システム部門 人材育成

2025年7月17日(木)と18日(金)、信州大学次世代空モビリティシステム研究拠点(SURCAS)推進動力システム部門は、長野市立柳町中学校において「コズミックレイ(宇宙線)VR」を活用したアマテラス粒子に関する特別授業を実施しました。

今回の授業では、冨田孝幸助教が開発した教育用ヴァーチャルリアリティー(VR)アプリを用い、肉眼では捉えることのできないコズミックレイが大気と反応して発生する空気シャワー現象を、立体的なCG映像として体験できる機会を提供しました。アマテラス粒子は、信州大学冨田研究室を含む国際共同観測チームによって発見された観測史上でも最も高いエネルギー(超高エネルギー)を持つ宇宙線粒子のひとつです。その起源や加速メカニズムは未解明であり、宇宙物理学の大きな謎のひとつとされています。

授業では、この粒子の発見経緯や観測方法、そして冨田研が国内外の研究機関と連携しながら行っている解析研究についても紹介し、生徒たちは迫力あるVR映像とともに最新の研究成果に触れました。さらに、生徒たちは霧箱の見学も行いました。霧箱とは、過飽和状態のアルコール蒸気中を荷電粒子が通過する際に生じる飛跡を可視化できる装置で、宇宙線や放射線を直接"見る"ことができる珍しい観測機器です。当日は、冨田助教の説明を受けながら、目に見えない粒子が軌跡として現れる瞬間を間近で観察し、VRで体験した現象と現実の観測とを結び付けて学ぶ機会となりました。担当教員からは「中学生がこれほど難解なテーマに集中して取り組む姿勢は非常に稀有」との評価も寄せられ、教育現場における高度な科学テーマ採用の可能性を改めて感じさせる授業となりました。信州大学ではこれまでも全国各地で同様のVR授業や展示を行っており、児童・生徒から多くの反響を得ています。今後も地域の教育機関と連携し、コズミックレイVRや霧箱実演をはじめとする体験型科学教育を通じて、若い世代に科学の魅力と探究心を伝えていく予定です。