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ごあいさつ

石油由来材料を超える新機能・高機能性材料の創出を目指して

近年、化石資源について枯渇と品質の劣化が問題視されています。そこで当プロジェクトでは、豊富に存在する農林水産物の未利用資源のナノ構造体を、最新ナノテクノロジーにより融合する「ナノ・ナノ複合化」によって、石油由来材料を超える新機能・高機能性材料の創出を目指しています。
人工的に合成された炭素ナノ材料を、天然由来のナノバイオマスと分子レベルで複合することで物性および機能に優れた新規高機能性材料を創出する技術開発が進んでおります。それと同時に、世界における膨大な科学技術・産業技術情報等の分析を踏まえた知財マネジメント戦略を策定し、研究の高度化、サプライチェーンモデルの検討を行います。
農林水産業の収益構造向上、農工連携による両産業の強化、脱石油・ 再生可能資源化に向けての資源循環型社会形成に貢献したいと願っております。

ナノアグリ研究拠点代表 信州大学 カーボン科学研究所 特別特任教授 遠藤 守信
ナノアグリ研究拠点代表
信州大学 カーボン科学研究所
特別特任教授 遠藤 守信

ナノアグリのフロントランナーへ

ナノカーボンの分野は、ウェブ・オブ・サイエンスへの収録論文誌上だけでも毎年約3万本の論文が出版されるという、世界的に激しい競争が行われている分野です。その中で、ナノテクノロジーとアグリの組み合わせ(ナノアグリ)は、まだ「萌芽」と呼ぶべき段階にあり、その可能性にいち早く着眼した我が国がいま集中的に取り組めば、フロントランナーとなりうる領域といえます。ナノアグリの特徴は、研究開発段階におけるシーズやアイデアの組み合わせと、製品化という出口の双方において、多様な可能性を秘めているということです。また、超高齢化社会への対応、農業の高付加価値化、被災地の復興等といった社会の課題解決に大きな貢献をなしうる技術でもあります。既に、遠藤教授のリードにより、様々な成果が堰を切ったように生まれつつあります。今後、ナノアグリコンソーシアム内における知的な交流や研究協力を活発にすることで、より大きな成果へとつなげていきたいと考えています。

東京大学大学院工学系研究科・教授、兼、政策ビジョン研究センター・センター長<br>坂田 一郎
ナノアグリコンソーシアム代表
東京大学大学院工学系研究科・教授 兼
政策ビジョン研究センター・センター長
教授 坂田 一郎