日時:3/14 (月) 13:00~14:45(予定)
場所:工学部 総研棟1F 101教室&ZOOM配信
※大きなお部屋ですので人間距離をとってゆったりと聞いていただけます。
【ZOOM併用】
待機室は設けておりませんのでどなたでもどうぞ。
https://shinshu-u-ac-jp.zoom.us/j/98436540690?pwd=SjM0QzJDR0ZFRUJmQjhybmd1SWRZQT09
ミーティングID: 984 3654 0690
パスコード: 921960
講師:池田 治生博士(次世代天然物化学技術研究組合・北里大学名誉教授・信州大学特任教授)
題目:「放線菌における物質生産の分子基盤」
内容:抗生物質を含む多くの生物活性物質(二次代謝産物として)を生産する
土壌微生物放線菌(特にStreptomyces)はこれらの工業的な生産に利用されている。
放線菌の生物学的な特徴は複雑な形態分化のみならず他の細菌には観察されない
種々の興味ある現象が多々ある生物種でもある。
放線菌のゲノム解析はモデル細菌である大腸菌や枯草菌などから遅れたが
21世紀の初めに完了した。
ゲノム解析から予想を遥かに上回る株の二次代謝産物の生合成遺伝子群が見出されるとともに
それらの多くが休眠状態であることがわかった。
昨今、ゲノム解析など多くの解析によって科学は進展したが、
放線菌の物質生産が生産菌にとってどのような生物的意義を持っているかは未だ未解明である。
ゲノム解析の結果から物質生産の改変、覚醒、また化学合成では達成できない誘導体化などの
分子基盤などに関して言及する。
池田博士は主要な抗生物質生産菌である放線菌のゲノムマイニングでは
ウエット、インシリコともに孤高の世界トップに位置する研究者で、
遺伝学、分子生物学、生化学だけではなく、合成化学にも精通している。
またデータサイエンス分野でも、
自ら構築したNIHのシステムとリンクしたデータベースシステムと
隠れマルコフモデルを用い類似性の低いポリケチド生合成遺伝子クラスターを
世界ではじめて様々な菌から予想、取得するという離れ業も成し遂げている。
2015年の大村博士のノーベル賞、大村博士のNobel lectureのreference中、
大村博士が著者の論文28報中10報が池田博士の手によるものである。
基礎研究と応用研究を両面で高レベルで両立させている希有な研究者であり、
発表も素晴らしい。皆様ふるって御参加下さい。
問い合わせ先
片岡正和 応用微生物学ルネサンスセンター センター長
mars@shinshu-u.ac.jp