Research 研究ユニット紹介

研究テーマ

新しい機能性材料を開発し、 水やファッションの環境問題解決

研究内容について

MOFでフッ素濃度を検出、タンザニアの汚染水問題

私たちの研究室では、主に有機化学の手法で、環境の浄化や負荷低減につながる機能性材料を開発しています。
その一環として取り組んでいるのが、タンザニアでの水環境改善プロジェクトです。同国のアルーシャ県では、水源の地下水が場所によっては日本の10倍もの高濃度のフッ素で汚染されており、信州大学ではその課題解決へ向けた取り組みを進めています。特に私たちの研究室は、フッ素濃度の高感度化学検出センサーの開発と普及に取り組んでいます。フッ素濃度を可視化することで、現地の方にまずはリスクを知ってもらうことが狙いです。
センサーには、有機化合物と金属イオンからなる新たな多孔質材料「MOF」を使っています。ブラックライトを照射すると、フッ素濃度に応じて光る色が変わります。また、センサーを保護する筐体などは3Dプリンターなどを使って、比較的安価で簡単に作れるようにしています。設計図や作り方もウェブで公開していますが、それは最終的に現地の方が自分たちで作り、計測してもらいたいという想いからです。

再生セルロースで、世界の水資源を守る

また、私たちの研究室では、ファッション分野に関連した水環境問題の解決に資する研究にも取り組んでいます。衣服の多くは綿が原料ですが、1枚のTシャツを作るのに実は72ℓの水が必要というほど、綿栽培は多くの水を使用するため、綿花栽培で地域の湖が干上がってしまうという問題も起きています。
こうした課題に対して、私たちは綿のリサイクルを通じて貢献していこうと取り組んでいます。綿の主成分はセルロースですが、私たちが開発したイオン液体で、廃棄される綿衣服を溶かし、化学的にもう一度セルロースを繊維化することができます。こうしてできた再生セルロースは人工芝や食品包装、農業用シートなどにも活用することができ、水関連だけでなく、石油由来のプラスチック原料からの転換という点でも、環境問題に貢献できる可能性も秘めています。

所属研究者一覧

  • 研究代表者(PI)

    木村 睦教授