Research 研究ユニット紹介

研究テーマ

「水」を使って作る「水」を含むナノ材料で「水」を活かす

「ナノ空間の魔法で、新しい材料・現象を見つけ、社会に貢献するサステナブルな未来を!」
私たちの核となる方針は、目に見えないナノサイズの世界を操作し、環境やエネルギー問題の解決に直結する材料を創り出すことです。「自分の手で新しい素材を生み出し、未知の現象を見つける楽しさ」を大切にしています。 天然のナノ材料である「粘土鉱物」や、精密に設計された「メソポーラスシリカ」を軸に、社会的課題に対してサステナブルな解決策を提案するとともに、心から『面白い』と思える何かを想像し、創造していきます。
そして、そこには常に「水」があります。 水は生命の源であり、未来の可能性そのものです。私たちは水とともに歩み、水とともに未来を切り拓いていきます。
• 水を使って: 環境負荷の低いプロセス
• 水を含む: 柔軟で生命的な材料設計
• 水を活かす: 浄化、制御、自己修復
「どんな仕組み(How)」で、「何ができるのか(Can)」、そこから「何を目指すのか(Will)」を発信し、学術界と産業界の架け橋となることを目指します。

研究内容について

これまでとこれから 〜ナノスケールでデザインする機能性材料の未来〜

私の研究の根幹は、分子レベルで制御された「空間」を活用し、自然界にはない新しい機能を引き出すことにあります。これまで地殻に豊富に存在する天然資源や、人工的な多孔質材料を用い、環境・エネルギー・医療など多岐にわたる分野で応用を展開してきました。
今後は、培ってきた合成・複合に関わる知見と空間制御技術をさらに深化させ、未知の機能を持つ新素材を創製することが目標です。若い学生の皆さんとともに、誰も見たことのないナノの世界の建築 「Nanoarchitectonics(ナノアーキテクトニクス)」 を形にしていきたいと考えています。

粘土鉱物を使った研究 〜天然の層状構造が秘める無限の可能性〜

粘土鉱物は、単なる泥の成分ではありません。ナノメートル単位の薄いシートが積み重なった、極めてユニークな「層状化合物」です。私たちはこの層と層の間のわずかな隙間(ナノスペース)に着目し、分子を自在に取り込み・放出する機能を研究しています。
• 集める: インターカレーション技術による有害物質の選択的吸着
• 放す: 抗錆剤や薬剤を必要な時に放出する徐放制御
• 彩る: 色素の安定化による、次世代の「機能性顔料」の開発
天然由来で安価、かつ環境負荷が低いという強みを活かし、社会実装を見据えた先進的な材料開発を目指します。

メゾポーラスシリカを使った研究 〜精密に設計された「孔(あな)」が拓く先端技術〜

メゾポーラスシリカは、2〜50ナノメートルの均一な細孔が規則正しく並んだ、広大な表面積を持つナノ材料です。1グラムでテニスコート数面分にもなるこの「孔」をいかに操るかが研究の醍醐味です。
これまでに細孔のサイズや形状、表面の性質を自在にカスタマイズすることで、高感度なセンサーや高効率な触媒を創出してきました。さらに、この孔を「鋳型(テンプレート)」としたナノ粒子の精密設計など、独自のナノ空間設計技術を武器に、新しい材料・現象・応用を探求しています。

コーティング技術 〜精密に設計された膜の、思いもかけない機能〜

固体の表面に、ナノメートルの厚さの皮膜を施す研究を推進しています。最大の特徴は、「水」を溶媒としたプロセスであることです。ゾルゲル法や、層状化合物とポリマーを複合させる手法を用い、環境に優しい成膜を実現しています。
自然界で水から生まれた材料を、水を使って並べ替え、ナノの場所に配置する。こうして生まれた「水を含む材料」は、水によって自己修復したり、含水量に応じて機能を変化させたりと、生物のような柔軟な可能性を秘めています。水とナノ材料が織りなす、新しい材料設計の姿を追求しています。

所属研究者一覧

  • 研究代表者(PI)

    小川 誠教授(特定雇用)

小川のWebサイト