アクア・リジェネレーション機構とは

信州大学アクア・リジェネレーション機構では、
水の循環利用や水由来グリーン水素エネルギーの生成・利用など、
水を中心とする地球環境再生に関わる諸分野を「アクア・リジェネレーション分野」と位置付け、
同分野における研究力強化に取り組んでまいります。
今後、同分野での研究力をより一層推進し、国内外より研究者を集め、
グローバルな研究拠点としての機能を果たしてまいります。
アクア・リジェネレーションとは
水の惑星地球の持続可能性に向けた取り組み
水の惑星地球では、様々な課題が山積しています。2022年の時点で22億人が安全な飲料水を得られておらず、2030年までに世界の水供給が40%不足する可能性があります。日本では身近に感じられませんが、水問題は世界的にはきわめて深刻です。(SDGsの6:安全な水とトイレを世界中に)。
また、気温上昇に伴う気候危機を回避するため、気温上昇の原因となっている温室効果ガスの排出量の削減が急務になっています。中でも化石燃料に替わるエネルギーとして、CO2を排出しないグリーン水素エネルギーが注目され、水素コスト削減に向けて、水素の供給量の拡大や、インフラ整備に資する取り組みを推進する必要性が叫ばれています。こうした人の活動に必要な水と水由来グリーン水素エネルギーを循環型・地産地消型で永続的に供給し、サスティナブルな水・水由来グリーン水素エネルギー供給が生命と人々の豊かな生活と産業を支える仕組みを「アクア・リジェネレーション」として位置づけています。

アクア・リジェネレーション機構とは

水の研究で世界を変える!
アクア・リジェネレーションが広げる水の可能性
アクア・リジェネレーションを実現するため、水の循環利用や水由来グリーン水素エネルギーの生成・利用など、水を中心とする地球環境再生に関わる諸分野を「アクア・リジェネレーション分野」と位置づけ、信州大学はこれまでもアクア・リジェネレーション分野の研究力強化に取り組んできました。今般、本学が世界トップクラスの実績をもつ水浄化や水由来の水素エネルギー関連の先鋭材料研究を核に、研究組織である「アクア・リジェネレーション(ARG)機構」を立ち上げ、研究の卓越性、イノベーション創出、地域貢献を一体推進します。
また、地元自治体や産業界との協力で、循環型・地産地消型の水と水由来水素エネルギー等や関連技術を活用した実証タウンを形成し、豊かな生活と産業を支えます。これらの取り組みを通じて、地球再生と経済成長の両立を目指します。

本学が世界トップクラスの実績をもつ水浄化や水由来の水素エネルギー関連の先鋭材料研究を核に、グローバルな視点で研究を推進する体制を構築しました。地元自治体や産業界との協力で、循環型・地産地消型の水と水由来水素エネルギー等や関連技術を活用した実証タウンを形成し、豊かな生活と産業を支えます。これらの取り組みを通じて、地球再生と経済成長の両立を目指します。
今後、水関連専攻の大学院を新設し、水問題が深刻な国々から人材とニーズを受け入れ、国際的な共創と人材育成に取り組むと同時に、研究成果の実証を長野県内に構築する実証タウンにおいて実施するなど、地域に軸足を置きながらも世界規模での課題解決を実践します。

文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業
(J-PEAKS)

文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」は、日本全体の研究力を向上させ、新たな価値創造を促進していくために、大学ファンドによる国際卓越研究大学への支援と並行して行う事業です。国際卓越研究大学は、全ての分野で世界トップレベルを目指すのに対して、地域中核・特色ある研究大学は、研究の特定分野で世界トップレベルの研究力を目指すものです。
信州大学は、「アクア・リジェネレーションの研究力を核に一歩先のソリューションを共創する大学」を10年後のビジョンとして掲げ、J-PEAKSに採択され、各種事業に取り組んでいます。
機構長あいさつ

我々は、水・水素に関する先鋭研究を基盤に据え、アースポジティブに資するソリューションを提供します。
今、地球のさまざまなバランスが崩れ、地球上の生命体に甚大な影響を及ぼし始めています。プラネタリーバウンダリーという言葉で表現され、それがまさに極限状態に達しています。つまり「地球が悲鳴を上げている」のです。本来あるべき姿に戻すために、人類の叡智を集約させなければなりません。そのなかで「水」は、プラネタリーバウンダリーの根幹を握っています。水は万物の根源であり、生命の源です。地球上に暮らす生命体を守り、繁栄させてきた「水」に対して、研究者・技術者として真摯に向き合うために、我々は「アクア・リジェネレーション機構」を創設しました。当機構では、水および水由来エネルギーの水素そのものを創製し、それを深く理解し活用するとともに、新たなサスティナビリティーを構築します。SDGs達成に向けて、当機構独自のソリューションも提供します。我々は、世界中に笑顔を届けるアースポジティブな社会実現に貢献することを約束します。
アクア・リジェネレーション機構長
手嶋 勝弥
長野・松本・飯田を拠点に
研究から社会実装まで

松本キャンパスと長野(工学)キャンパスに拠点を構え、関係各所と連携を図りながら、最新鋭の研究設備と知見を備えた中核拠点として、ARG分野の研究を推進しています。
また、長野県飯田市の産業振興拠点施設「エス・バード」内の土地を活用して水素パネルを設置し、産学官共創による研究開発・社会実装を進めています。