○信州大学におけるバイアウト制度の実施に関する要項
(令和6年2月21日信州大学要項第91号) |
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第1 趣旨
1 この要項は,「競争的研究費の直接経費から研究以外の業務の代行に係る経費を支出可能とする見直し(バイアウト制度の導入)について」(令和2年10月9日付け競争的研究費に関する関係府省連絡会申し合わせ)に基づき,信州大学(以下「本学」という。)におけるバイアウト制度の実施に関し必要な事項を定める。
2 本学におけるバイアウト制度の実施については,配分機関において別に定めがある場合を除き,本要項の定めるところによる。
第2 定義
この要項において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 競争的研究費 府省等の公募により競争的に獲得した経費のうち,研究に係るものをいう。
(2) 配分機関 競争的研究費の制度を運営し,競争的研究費を研究機関又は研究者に配分する機関をいう。
(3) 直接経費 競争的研究費により行われる研究を実施するために,研究に直接的に必要なものに対し,競争的研究費を獲得した研究者が使用する経費をいう。
(4) 研究代表者等 競争的研究費の交付の対象となる研究において,当該研究課題の遂行に関して全ての責任を持つ研究者(研究代表者)及び当該研究課題の遂行に関して分担して責任を持つ研究者(研究分担者)をいう。
(5) バイアウト制度 研究代表者等本人の希望により本学と合意をすることで,競争的研究費の直接経費から研究代表者等が担っている業務のうち第3に定める業務の代行に係る経費(以下「バイアウト経費」という。)の支出を認める制度をいう。
(6) 部局 国立大学法人信州大学組織に関する規則(平成17年国立大学法人信州大学規則第5号)別表に定める各組織をいう。
第3 バイアウト制度の対象業務及び業務の代行
1 バイアウト制度の対象業務は,研究代表者等が担当する授業の実施とする。
2 前項の業務を代行する者(以下「代行教員」という。)は,非常勤講師又は特任教員とする。
3 次の各号に掲げる授業科目は,バイアウト制度の対象から除くものとする。
(1) 卒業論文又は学位論文の作成に関する特別研究等の授業科目
(2) その他授業開講部局が必要に応じて定める授業科目
4 バイアウト制度の対象とする授業時間の上限は,当該研究代表者等が当該年度に担当する学部及び大学院の授業の総時間の半分までとする。ただし,前項第1号に規定する授業科目は総時間に含めないものとする。
第4 バイアウト制度の申請及び変更申請手続
1 バイアウト制度の利用を希望する研究代表者等は,バイアウト制度利用申請書(別紙様式1) により授業開講部局の長に申請しなければならない。この場合において,授業開講部局の長と研究代表者等が所属する部局の長が異なる場合は,研究代表者等は所属する部局の長の了承を得た上で申請するものとする(第3項の申請を行う場合についても同様とする。)。
2 授業開講部局の長は,前項の申請があった場合は,当該申請の承認の可否を決定し,申請者に通知する。
3 研究代表者等は,前項により承認がなされた後,対象授業科目,バイアウト実施期間又は時間数を変更する場合は,バイアウト制度利用変更申請書(別紙様式2)により授業開講部局の長に申請し,承認を受けなければならない。
第5 バイアウト経費の算定及び上限
1 バイアウト経費は,学内規則及び通知等に基づき算出した非常勤講師又は特任教員の雇用にかかる経費(以下「実費相当額」という。)に実費相当額の30%を加算した額とする。
2 バイアウト経費の上限額は,次の各号に掲げる額のいずれか低い額とする。
(1) 当該競争的研究費の各年度における直接経費の20%に相当する額
(2) 当該競争的研究費の配分機関が定める上限額
第6 授業開講部局の長の責務
授業開講部局の長は,バイアウト制度の利用を認めるにあたっては,当該授業科目に係る教育の質が担保されるよう,研究代表者等及び部局内教員の協力を得ながら,当該研究代表者等と同等以上の能力・資質をもった代行教員の確保に努めなければならない。この場合において,授業開講部局が全学教育センターである場合にあっては,研究代表者等が所属する部局の長は,全学教育センター長の求めに応じ,代行教員の確保について協力しなければならない。
第7 実施報告
授業開講部局の長は,本制度が適切に実施されているかを確認するため,任意の時期に,研究代表者等に対して,実施状況の報告を求めることができる。
第8 業務の制限
バイアウト制度の利用により拡充された研究時間は,当該競争的研究費の交付の対象となる研究以外の業務に充ててはならない。
第9 事務
バイアウト制度の実施に関する事務は,各部局等の事務部において処理する。
第10 雑則
1 本要項に定めるもののほか,バイアウト制度の実施に関し必要な事項は授業開講部局において別に定める。
2 複数の競争的研究費からバイアウト経費を支出する場合は,経費分担の根拠を明確にしたうえで,各経費間で重複がないよう,適切に処理する。
附 則
1 この要項は,令和6年4月1日から実施する。ただし,この要項の実施前に承認されたバイアウト制度の利用については,この要項による改正後の規定にかかわらず,なお従前の例による。
2 信州大学におけるバイアウト制度の取扱いについて(通知)(令和3年3月30日)は廃止する。