○信州大学の研究活動における不正行為の防止等に関する規程
(平成19年7月19日信州大学規程第154号)
改正
平成19年9月28日平成19年度規程第31号
平成20年11月20日平成20年度規程第37号
平成21年9月29日平成21年度規程第21号
平成22年3月18日平成21年度規程第65号
平成22年4月22日平成22年度規程第3号
平成23年3月29日平成22年度規程第88号
平成24年3月30日平成23年度規程第72号
平成24年3月30日平成23年度規程第73号
平成25年4月1日平成25年度規程第5号
平成25年10月1日平成25年度規程第23号
平成25年11月21日平成25年度規程第32号
平成26年12月18日平成26年度規程第48号
平成27年3月30日平成26年度規程第7号
平成27年9月17日平成27年度規程第43号
平成29年3月17日平成28年度規程第93号
平成29年9月21日平成29年度規程第30号
令和元年6月10日令和元年度規程第7号
令和元年6月17日令和元年度規程第28号
令和元年9月19日令和元年度規程第89号
令和2年1月31日令和元年度規程第155号
令和2年3月31日令和元年度規程第228号
令和2年12月16日令和2年度規程第72号
令和4年3月31日令和3年度規程第183号
令和5年2月28日令和4年度規程第124号
令和5年3月29日令和4年度規程第179号
令和6年3月18日令和5年度規程第102号
令和6年5月28日令和6年度規程第35号
令和7年3月31日令和6年度規程第253号
目次

第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 研究者等の責務(第3条)
第3章 研究活動における不正行為の防止に係る体制及び責務(第4条-第12条)
第4章 相談の受付(第13条-第14条)
第5章 通報等の受付(第15条-第18条)
第6章 通報者及び被通報者の取扱い(第19条-第22条)
第7章 通報等に係る事案の調査(第23条-第36条)
第8章 調査に係る不服申立て及び再調査の実施(第37条・第38条)
第9章 調査結果の公表等(第39条・第40条)
第10章 調査中における一時的措置及び認定後の措置(第41条-第47条)
第11章 秘密保護義務(第48条)
第12章 雑則(第49条-第51条)
附則

第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は,信州大学(以下「本学」という。)の研究活動における不正行為(以下「研究活動における不正行為」という。)を防止すること及び研究活動上の不正行為が生じた場合に厳正かつ適切に対応するための措置等に関し必要な事項を定める。
(定義)
第2条 この規程において「研究者等」とは,本学に雇用されている者及び本学に雇用されているとみなされる者並びに本学の施設・設備を利用する者で研究に携わる者をいう。
2 この規程において「研究活動における不正行為」とは,研究の立案,計画,実施,成果の取りまとめ(報告を含む。)の各過程においてなされる次の各号に掲げる行為をいう。ただし,故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによるものに限る。
(1) 捏造 存在しないデータ,研究結果等を作成すること。
(2) 改ざん 研究資料・機器・過程を変更する操作を行い,データ,研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。
(3) 盗用 他の研究者のアイディア,分析・解析方法,データ,研究結果,論文又は用語を,当該研究者の了解若しくは適切な表示なく流用すること。
(4) 前3号までに掲げる研究活動における不正行為に準ずる著しく悪質な行為(他の学術誌等に既発表又は投稿中の論文と本質的に同じ論文を投稿する二重投稿,論文著作者が適正に公表されない不適切なオーサーシップ及び悪質な意図に基づく論文等の不引用などをいう。)。
3 この規程において「研究倫理教育」とは,研究者の行動規範及び研究活動に関して守るべきルール等についての知識や技術を,研究者等の理解を得るために第9条に規定する研究倫理教育責任者(以下「研究倫理教育責任者」という。)が実施する教育をいう。
4 この規程において「部局」とは,別表に定めるものをいう。
5 この規程において「相談窓口」とは,本学における研究活動に関する学内外からの相談を受け付ける窓口をいう。
6 この規程において「通報等」とは,研究活動における不正行為に関する通報及び情報提供をいう。
7 この規程において「通報窓口」とは,通報等を受け付ける内部窓口及び外部窓口の総称をいう。
8 この規程において「通報窓口担当者」とは,通報窓口において通報等を受け付ける者をいう。
9 この規程において「配分機関等」とは,競争的資金等の公募型の研究資金等,基盤的経費その他の予算の配分又は措置をする機関をいう。
第2章 研究者等の責務
(研究者等の責務)
第3条 研究者等は,自らが研究活動における不正行為を行わないために必要な高度の研究者倫理を常に保持し,適正かつ公正な研究活動を行うと共に,他者による不正行為の防止に努めなければならない。
2 研究者等は,故意若しくは重大な過失による研究データの破棄や不適切な管理による紛失を防ぐため,研究データを一定期間保存し,公開しなければならない。なお,保存及び公開する研究データの具体的な内容やその期間,その方法については,データの性質や研究分野の特性等を踏まえ,別に決定するものとする。
3 研究者等は,この規程を遵守すると共に研究倫理教育責任者の指示に従わなければならない。
4 研究者等は,研究倫理教育を受講しなければならない。
5 研究者等は,調査への協力要請があった場合は,これに協力しなければならない。
第3章 研究活動における不正行為の防止に係る体制及び責務
(最高管理責任者)
第4条 本学に,研究活動における不正行為の防止について最終責任を負う最高管理責任者を置き,学長をもって充てる。
2 最高管理責任者は,次条に規定する統括管理責任者(以下「統括管理責任者」という。)及び研究倫理教育責任者並びに部局の長(内部部局(内部監査室,学長府,総務部,財務部,学務部,研究推進部,国際部及び環境施設部をいう。以下同じ。)にあっては,当該室,府又は部の長をいう。以下同じ。)が責任を持って研究活動における不正行為に関する措置を適切に行うことができるよう,必要な措置を講じなければならない。
3 最高管理責任者は,不正行為防止対策の基本方針(以下「基本方針」という。)を策定し,研究者等に周知徹底させるとともに,統括管理責任者が策定した本学における具体的な不正行為防止対策(以下「不正行為防止計画」という。)の進捗管理に努めなければならない。
4 最高管理責任者は,研究活動における不正行為を認めた場合には,統括管理責任者及び部局の長に適切な指示を与え,速やかに必要な措置を厳正かつ適正に講じなければならない。
(統括管理責任者)
第5条 本学に,最高管理責任者を補佐し,研究活動における不正行為の防止について本学全体を統括する責任と権限を有する統括管理責任者を置き,研究担当の理事をもって充てる。
2 統括管理責任者は,研究活動における不正行為を発生させる要因(以下「不正発生要因」という。)を把握し,不正行為防止対策の組織横断的な体制を統括する責任者として,基本方針に基づき,毎事業年度ごとに不正行為防止計画を策定し,これを実施するものとする。
(不正発生要因の把握)
第6条 統括管理責任者は,原則として次の各号に掲げる方法により,不正発生要因の把握を行うように努めるものとする。
(1) 不正を発生させる要因が如何なるところに如何なる形態で存在するのか,大学全体の状況を体系的に整理し評価する。
(2) 不正が発生する危険性が常に如何なるところにも存在することから,組織全体の幅広い関係者の協力を求める。
(不正行為防止計画の策定)
第7条 統括管理責任者は,前条により把握された不正発生要因に対応する不正行為防止計画を,基本方針に基づき,策定するものとする。
2 統括管理責任者は,不正行為防止計画の策定に当たっては,優先的に取り組むべき事項を中心に,当該防止計画を明確なものにするとともに,モニタリングの結果やリスクが顕在化したケースの状況等を活用し,定期的に見直しを行うものとする。
3 統括管理責任者は,不正行為防止計画の策定に当たっては,ルール違反防止のためのシステムや業務の有効性,効率性を考慮するものとする。
(不正行為防止計画の実施状況報告)
第8条 統括管理責任者は,本学全体の不正行為防止計画の実施状況を最高管理責任者に報告しなければならない。
(研究倫理教育責任者)
第9条 各部局に,統括管理責任者の指示の下,部局の研究者等に対する研究倫理教育を実施し,その受講状況及び理解度を把握し,未受講の研究者等及び理解度が低い研究者等に対し必要な指導を行うことについて責任と権限を有する研究倫理教育責任者を置き,別表のとおりとする。
(研究倫理教育副責任者)
第10条 部局に,研究倫理教育責任者が行う業務を補佐する研究倫理教育副責任者を置き,別表のとおりとする。なお,研究倫理教育責任者が実効的な管理監督を行わせる必要があると判断した場合は,当該部局内の部署ごとに研究倫理教育副責任者を別に置き,当該部署の長又は当該部署のリーダーをもって充てることができる。
(最高管理責任者等の職名等の公表)
第11条 本学は,最高管理責任者,統括管理責任者及び研究倫理教育責任者(以下「各責任者」という。)に就任する者の職名等を,当該者が各責任者に就任したとき又は既に就任している者を変更したとき,公表するものとする。
(不正行為防止計画推進室)
第12条 研究活動における不正行為の防止について全学的観点から推進するための部署として,本学に不正行為防止計画推進室を置く。
2 不正行為防止計画推進室は,研究担当の理事,産学官・社会連携担当の理事,財務担当の理事,研究推進部長,財務部長,総務部長及び最高管理責任者が指名する研究経験者若干名並びに最高管理責任者が必要と認める者をもって組織し,研究担当の理事を室長とする。
3 不正行為防止計画推進室は,次の各号に掲げる業務を行う。
(1) 基本方針の策定に関すること。
(2) 不正発生要因の把握及び不正行為防止計画の策定に関すること。
(3) 不正行為防止計画の推進に関すること。
(4) 不正行為防止計画に係る運用ガイドラインの策定に関すること。
(5) 不正行為防止計画の実施に係るモニタリングに関すること。
(6) 研究倫理教育の実施に関すること。
(7) 次条に規定する相談窓口に寄せられた情報の管理及び分析に関すること。
(8) 第15条に規定する通報窓口に寄せられた情報への対応に関すること。
(9) 第27条に規定する予備調査並びに第29条に規定する本調査の実施に関すること。
(10) その他研究活動における不正行為の防止に関すること。
4 不正行為防止計画推進室の事務は,関係部署等の協力を得て,研究推進部研究支援課において処理する。
第4章 相談の受付
(相談窓口)
第13条 相談窓口を不正行為防止計画推進室に置く。
2 相談窓口に職員を置き,不正行為防止計画推進室の事務を掌る内部部局の職員をもって充てる。
(通報等に関する相談の受付)
第13条の2 相談窓口は,通報等に関する事前又は事後の相談を受け付けることができる。
2 相談窓口の職員は,通報等の内容及び相談者の秘密を守るため,前項の相談を受け付ける場合は,個室での面談又は電話若しくは電子メール等を相談窓口の職員以外に見聞できないように,適切な方法を講じなければならない。
3 相談窓口の職員は,業務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。当該業務に携わらなくなった後も,同様とする。
(相談内容の確認等)
第13条の3 通報等の意思を明示しない相談があったときは,相談窓口はその内容を確認して相当の理由があると認めたときは,相談者に対して通報等の意思の有無を確認するものとする。
2 相談の内容が,研究活動における不正行為が行なわれようとしている,又は研究活動における不正行為を求められている等であるときは,相談窓口は,統括管理責任者を経て最高管理責任者に報告するものとする。
3 前項の報告があった時は,最高管理責任者は,その内容を確認し,相当の理由があると認めたときは,その報告内容に関係する者に対して警告を行うものとする。
(相談内容の学内共有)
第14条 前条に定める相談窓口に寄せられた相談内容については,事例を整理・分析し,研究倫理教育において周知する等により学内で共有するものとする。
2 前項の分析結果は,必要に応じて,モニタリング結果等とともに最高管理責任者に報告し,基本方針及び内部規程等の見直しに活用するものとする。
第5章 通報等の受付
(通報窓口)
第15条 通報窓口のうち,内部窓口を内部監査室に置き,外部窓口を本法人が委託する法律事務所に置く。
2 通報窓口に通報窓口担当者を置き,内部窓口における通報窓口担当者は内部監査室の職員をもって充て,外部窓口における通報窓口担当者は前項の法律事務所の弁護士をもって充てる。
(通報処理体制等の周知)
第16条 統括管理責任者は,通報窓口の名称,場所,連絡先,通報等の方法その他必要な事項を本学内外に周知する。
(通報等の受付)
第17条 研究活動における不正行為の疑いがあると思料する者は,何人も,通報等をすることができる。
2 通報等の方法は,書面,電子メール,電話又は面談による。
3 通報等は,原則として,顕名により,研究活動における不正行為を行ったとする職員等・研究グループ等の氏名又は名称,研究活動における不正行為の態様その他事案の内容が明示され,かつ,不正とする合理的理由が示されていなければならない。
4 通報窓口は,前項の一部又は全部に不備があるときは,当該通報等の内容について,通報等を行った者(以下「通報者」という。)に対して確認又は補正の指示をすることがある。
5 通報窓口は,通報等を受け付けたときは,速やかに最高管理責任者に報告するとともに,通報等を受け付けた旨を当該通報者に通知する。この場合において,面談又は電話により通報等を受け付けたときは,当該通報者に口頭で受け付けた旨を連絡することにより通知を省略するものとする。
6 最高管理責任者は,前項の報告を受けたときは,直ちに当該通報等の受理及び当該通報等された事案に係る予備調査(以下「予備調査」という。)の実施の要否を,統括管理責任者及び関係する部局の長並びにその他最高管理責任者が指名した者と協議の上,決定する。この場合において,この規程に定める研究活動における不正行為以外の通報等の内容については,当該関係する部署等に移送するものとし,本学以外に調査を行う研究機関等が想定される場合は,該当する研究機関等に当該通報等の内容について通知するものとする。
7 最高管理責任者は,当該通報等の内容が法律等に違反するおそれがある場合は,関係機関に連絡するものとする。
8 統括管理責任者は,第6項の協議の結果,当該通報等を受理することとなった場合は,その旨を当該通報者に通知する。この場合において,当該通報者に対してより詳細な情報提供及び当該通報等された事案に係る調査への協力依頼をすることがある旨を併せて通知するものとする。
9 統括管理責任者は,第6項の協議の結果,当該通報等を受理しないこととなった場合は,その旨を,理由を付して,当該通報者に通知する。
10 統括管理責任者は,当該通報事案を監事に報告する。
11 通報等の受付及び調査を担当する者は,自己と利害関係のある事案に関与してはならない。
(匿名通報等の取扱い)
第18条 前条に規定するもののほか,匿名による通報等があった場合は,通報等の内容に応じ,顕名による通報等に準じた取扱いをすることができる。
2 新聞等の報道機関,研究者コミュニティ,インターネット等から研究活動における不正行為の疑いが指摘された場合は,その内容に応じ,顕名による通報に準じて取り扱うものとする。
第6章 通報者及び被通報者の取扱い
(秘密保持等)
第19条 通報窓口担当者は,通報等の内容及び通報者の秘密を守るため,通報等を受け付ける場合は,個室での面談又は電話若しくは電子メール等を通報窓口担当者以外に見聞できないように,適切な方法を講じなければならない。
2 通報窓口担当者は,業務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。当該業務に携わらなくなった後も,同様とする。
3 最高管理責任者は,通報者,当該通報等の対象となった研究者等(以下「被通報者」という。),通報内容及び調査内容について,調査結果の公表まで,通報者及び被通報者の意に反して調査関係者以外に漏洩しないよう,秘密の保持を徹底しなければならない。
4 最高管理責任者は,当該通報に係る事案が漏洩した場合は,通報者及び被通報者の了解を得た上で,調査中にかかわらず当該通報に係る事案について公表することができる。ただし,通報者又は被通報者の責に帰すべき事由により漏洩したときは,当該者の了解は要しないものとする。
5 統括管理責任者は,通報者及び被通報者に通知をするときは,通報者,被通報者及び当該調査に協力した者等の人権,プライバシー等を侵害することのないように十分配慮しなければならない。
(通報者及び被通報者の保護)
第20条 部局の長は,通報等をしたことを理由として,当該通報者の職場環境等が悪化することのないように,適切な措置を講じなければならない。
2 本学に所属する全ての者は,通報等をしたことを理由として,当該通報者に対して不利益な取扱いをしてはならない。
3 部局の長は,通報等を受けたことのみを理由として,当該被通報者の職場環境等が悪化することのないように,適切な措置を講じなければならない。
4 本学に所属する全ての者は,通報等を受けたことのみを理由として,当該被通報者に対して不利益な取扱いをしてはならない。
5 学長は,通報者に対して不利益な取扱いを行った者がいた場合は,国立大学法人信州大学職員就業規則(平成16年国立大学法人信州大学規則第2号。以下「職員就業規則」という。),国立大学法人信州大学非常勤職員就業規則(平成16年国立大学法人信州大学規則第3号。以下「非常勤職員就業規則」という。),国立大学法人信州大学定年前再雇用短時間勤務職員就業規則(令和5年国立大学法人信州大学規則第11号。以下「定年前再雇用短時間勤務職員雇用職員就業規則」という。),国立大学法人信州大学シニア雇用職員就業規則(平成19年国立大学法人信州大学規則第6号。以下「シニア雇用職員就業規則」という。),国立大学法人信州大学特定教職員就業規則(平成19年国立大学法人信州大学規則第7号。以下「特定教職員就業規則」という。)その他関係諸規程に従って,処分を課すことがある。
(悪意による通報等)
第21条 何人も,悪意(被通報者を陥れるため若しくは被通報者が行う研究を妨害するため等,専ら被通報者に何らかの損害を与えること又は被通報者が所属する組織等に不利益を与えることを目的とする意思をいう。以下同じ。)による通報等を行ってはならない。
2 学長は,調査の結果,悪意による通報等であったことが判明した場合は,当該通報者の氏名の公表,懲戒処分,刑事告発その他必要な措置を講ずることができる。
3 学長は,前項の処分が課されたときは,当該配分機関等及び文部科学省に対して,その措置の内容等を通知する。
(解雇の禁止等)
第22条 学長は,悪意による通報等であることが判明しない限り,単に通報等したことを理由に当該通報者に対して解雇(労働者派遣契約その他の契約に基づき,本法人の業務に従事する者にあっては,当該契約の解除。以下同じ。),配置換,降格,懲戒処分等を行ってはならない。
2 学長は,相当な理由なしに,単に通報等がなされたことのみをもって,被通報者の研究活動の禁止,解雇,配置換,降格,懲戒処分等を行ってはならない。
第7章 通報等に係る事案の調査
(調査を行う機関)
第23条 研究者等を被通報者として,通報等があった場合,原則として,本学が通報等された事案に係る調査を行う。
2 被通報者が複数の研究機関等に所属する場合は,原則として,被通報者が通報等された事案に係る研究等を主に行っていた研究機関等を中心に,所属する複数の研究機関等が合同で調査を行うものとする。ただし,中心となる機関及び調査に参加する機関については,関係機関間において,通報等された事案の内容等を考慮して対応するものとする。
3 研究者等が本学と異なる研究機関等で行った研究等に係る通報等があった場合は,本学と研究等が行われた研究機関等とが合同で,通報等された事案に係る調査を行う。
4 被通報者が,通報等があった時点において既に研究者等でない場合は,現に所属する研究機関等の協力により本学と合同で,通報等された事案に係る調査を行う。この場合において,被通報者が研究者等でなくなった後,どの研究機関等にも所属していないときで,通報等された事案に係る研究等を本学で行っていたときは,本学が通報等された事案に係る調査を行う。
5 本学は,前各項により通報等された事案に係る調査を行うこととなった場合は,被通報者が現に研究者等であるかどうかにかかわらず,誠実に調査を行うものとする。
6 被通報者が,予備調査開始のとき及び通報等された研究等を行っていたときの双方の時点でいかなる研究機関等にも所属していなかった場合又は調査を行うべき研究機関等による調査の実施が極めて困難であると,通報等に係る配分機関等が特に認めた場合において,当該配分機関等から調査協力を求められたときは,本学は誠実に協力するものとする。
7 統括管理責任者が特に必要と認める場合に限り,他の研究機関等,当該配分機関等又は研究者コミュニティに,調査を委託することができる。
(調査の協力義務)
第24条 調査の対象となる部局(過去に研究者等として部局に所属し,被通報者となった者の所属していた当時の部局を含む。以下同じ。)は,調査の円滑な実施のために,当該調査を行う者に対して積極的に協力しなければならない。
2 部局は,調査を実施する上で必要な書類等の提出を求められたときは,これを拒むことができない。
(予備調査の実施の要否の決定及び通知)
第25条 統括管理責任者は,予備調査の実施の要否について決定された場合は,当該通報者にその旨通知する。この場合において,予備調査を実施しないときは,その理由を付して通知するものとする。
2 最高管理責任者は,予備調査を実施することを決定した場合は,配分機関等に対して予備調査を実施する旨通知する。この場合において,被通報者が本学以外の機関に所属しているときは,当該所属機関に対しても予備調査を実施する旨通知するものとする。
3 最高管理責任者は,研究活動における不正行為が行われようとしている,又は研究活動における不正行為を求められているという通報等については,その内容を確認・精査し,相当の理由があると認めるときは,当該通報等に係る被通報者に対して研究活動における不正行為を行わないよう警告を行うものとする。
(職権による調査)
第26条 最高管理責任者は,通報等の有無にかかわらず,相当の信頼性のある情報が提供され,研究活動における不正行為があると疑われる場合は,予備調査の開始を統括管理責任者に命ずることができる。
(予備調査の実施等)
第27条 統括管理責任者は,予備調査の実施が決定されたとき又は前条の規定により情報が提供され,予備調査の開始を命ぜられたときは,予備調査を迅速かつ公正に行わなければならない。
2 統括管理責任者は,予備調査を行うため,本学の役職員その他必要と認める者からなる予備調査のための調査委員会(以下「予備調査委員会」という。)を設置する。この場合において,予備調査委員会は,統括管理責任者が指名する者を委員として組織する。
3 予備調査委員会は,予備調査の対象となる部局に対して関係資料の提出,事実の証明その他予備調査を実施する上で必要な書類等の提出を求めるとともに,必要に応じて,次の各号に掲げる事項について関係者のヒアリングを行い,通報等の内容の合理性,調査可能性等の予備調査を実施する。
(1) 通報等された研究活動における不正行為が行われた可能性に関すること。
(2) 通報等の際示された科学的合理的理由の論理性に関すること。
(3) 通報等された研究の公表から通報等までの期間が,生データ,実験・観察ノート,実験試料・試薬等研究成果の事後の検証を可能とするものについての各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間又は本学若しくは被通報者が所属する部局が定める保存期間を超えるか否かに関すること。
(4) その他予備調査委員会が必要と認める事項に関すること。
4 予備調査委員会は,研究活動における不正行為の問題として通報等された事案に係る本調査(以下「本調査」という。)の証拠となり得る関係書類,研究ノート,実験試料等を保全する措置をとることができる。
5 予備調査委員会は,通報等がなされる前に取り下げられた論文等に対する予備調査を行う場合は,取り下げに至った経緯・事情を含め,本調査を行うべきか否かを予備調査し,判断するものとする。
6 統括管理責任者は,通報等を受理した日又は予備調査を命ぜられた日から起算して概ね30日以内に予備調査の結果を最高管理責任者に報告する。
(本調査実施の要否の決定及び通知)
第28条 最高管理責任者は,前条第6項の報告に基づき,本調査を実施するか否かを決定する。
2 最高管理責任者は,前項により本調査を実施することを決定した場合は,配分機関等及び文部科学省に対して本調査を実施する旨通知する。この場合において,被通報者が本学以外の機関に所属しているときは,当該所属機関に対しても本調査を実施する旨通知するものとする。
3 統括管理責任者は,第1項により本調査を実施することが決定された場合は,通報者及び被通報者に対して本調査を行う旨を通知し,本調査への協力を求める。
4 統括管理責任者は,第1項により本調査を実施しないことが決定された場合は,その理由を付して当該通報者に通知する。
5 統括管理責任者は,本調査を実施しないときは,予備調査に係る資料等を保存するものとし,当該配分機関等又は通報者の求めに応じ,開示することができるものとする。
6 本調査は,第1項による本調査の実施の決定された日から起算して概ね30日以内に開始するものとする。
(本調査の実施)
第29条 統括管理責任者は,本調査を実施することが決定された場合,その実施に当たっては,通報者が了承したときを除き,本調査の関係者以外の者及び被通報者に通報者が特定されないよう十分配慮し,実施するものとする。
2 統括管理責任者は,本学の役職員その他必要と認める者からなる本調査のための調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置する。この場合において,調査委員会は,通報者及び被通報者と直接の利害関係を有しない者のうちから,統括管理責任者が指名する者を委員として組織する。
3 前項の調査委員会は,原則として5人の委員により構成し,本学に属さない外部有識者を過半数以上含むものとする。
4 調査委員会の委員長は,統括管理責任者が指名する委員をもって充てる。
5 統括管理責任者は,調査委員会を設置したときは,調査委員会委員の氏名・所属を通報者及び被通報者に通知する。
6 前項の通知を受けた通報者及び被通報者は,当該通知を受けた日から起算して14日以内に調査委員会委員の指名に関する異議申立書(別紙第1号様式)により,統括管理責任者に対して調査委員会委員に関する異議申立てをすることができる。
7 統括管理責任者は,前項の異議申立てがあった場合は,最高管理責任者,財務担当の理事,産学官・社会連携担当の理事及び総務担当の理事と協議し,その内容が妥当であると判断したときは,当該異議申立てに係る調査委員会委員を交代させるとともに,その旨を通報者及び被通報者に通知する。
8 調査委員会は,指摘された当該研究に係る論文,実験・観察ノート,生データ等の各種資料の精査,関係者のヒアリング,再現実験の要請等により本調査を行う。
9 調査委員会は,本調査を実施する際において,調査委員会が被通報者に再実験等により再現性を示すことを求めた場合又は被通報者が自らの意思によりそれを申し出た場合は,再実験等に要する期間及び機会(機器,経費等を含む。)を保障するものとする。ただし,被通報者により同じ内容の申出が繰り返して行われた場合において,それが当該事案の引き延ばしを主な目的とするものであると調査委員会が判断するときは,当該申出を認めないものとする。
10 調査委員会は,本調査の実施に当たり,被通報者に対して弁明の機会を与えなければならない。
11 調査委員会は,本調査対象における公表前のデータ,論文等の研究又は技術上秘密とすべき情報が,本調査の遂行上必要な範囲外に漏洩することのないよう十分配慮するものとする。
12 調査委員会の本調査に対し,通報者,被通報者その他当該通報等された事案に関係する者は誠実に協力しなければならない。
(本調査の対象)
第30条 本調査の対象は,通報等された事案に係る研究のほか,調査委員会の判断により本調査に関連した被通報者の他の研究を含めることができる。
(証拠の保全)
第31条 調査委員会は,本調査に当たって,通報等された事案に係る研究に関して,証拠となる資料,関係書類等を保全する措置をとる。この場合において,研究等が行われた研究機関等が本学でないときは,調査委員会は,通報等された事案に係る研究に関して,証拠となる資料,関係書類等を保全する措置をとるように当該研究機関等に依頼するものとする。
2 調査委員会は,証拠となる資料,関係書類等の入手が困難又は隠蔽が行われるおそれがある場合には,必要最小限の範囲で通報等された事案に係る研究活動の停止措置,本調査事項に関連する場所の一時閉鎖又は機器・資料の保全措置をとることができる。この場合において,当該措置をとるに当たっては,当該部局の長にその旨通知するものとする。
3 調査委員会は,前2項の措置に影響しない範囲内であれば,被通報者の研究活動を制限しない。
(本調査の中間報告)
第32条 最高管理責任者は,通報等された事案に係る配分機関等の求めに応じ,本調査の終了前であっても,本調査の中間報告を当該配分機関等に提出するものとする。
(通報等に関する不正行為の疑いに対する説明責任)
第33条 調査委員会の本調査において,被通報者が研究活動における不正行為に係る通報等に関する疑いを正そうとする場合,被通報者は,自己の責任において,当該研究が科学的に適正な方法及び手続に従い行われたこと並びに論文等が科学的に適正な方法及び手続を経て導かれた結果に基づき,適切な表現で執筆されたものであることを,科学的根拠を示して説明しなければならない。この場合において,再現実験等を必要とするときは,被通報者に対し再現実験等に要する期間及び機会(機器,経費等を含む。)を保障するものとする。
(認定)
第34条 調査委員会は,本調査によって得られた,物的・科学的証拠,証言,被通報者の自認等の諸証拠及び前条により被通報者が行った説明の内容を総合的に判断して,研究活動における不正行為に該当するか否かの認定(以下「認定」という。)を本調査開始後150日以内に行わなければならない。ただし,150日以内に認定を行うことができない合理的な理由があり,その理由及び認定の予定日を付して最高管理責任者に申し出て,その承認を得た場合は,この限りではない。
2 調査委員会は,被通報者の研究体制,データチェックの方法等について,故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによるものか否かを判断し認定するものとする。
3 調査委員会は,認定を行うに当たり,被通報者の自認を唯一の証拠として研究活動における不正行為の存否に係る認定を行うことはできない。
4 調査委員会は,被通報者の説明及びその他の証拠によって,不正行為であるとの疑いを覆すことができないときは,不正行為と認定することができる。また,保存義務期間の範囲に属する生データ,実験・観察ノート,実験試料・試薬及び関係書類等の不存在等,本来存在するべき基本的な要素が不足していることにより,被通報者が不正行為であるとの疑いを覆すに足る証拠を示せないときも,同様とする。
5 調査委員会は,研究活動における不正行為に該当する旨の認定を行う場合は,研究活動における不正行為の内容及び悪質性,研究活動における不正行為に関与した者及びその関与の程度,研究活動における不正行為が認められた研究に係る論文等の各著者の当該論文等及び当該研究における役割を具体的に確定させるものとする。
6 調査委員会は,研究活動における不正行為に該当しない旨の認定を行う場合において,本調査を通じて通報等が悪意によるものであることが判明したときは,併せてその旨の認定を行うものとする。この場合において,当該認定を行うに当たっては,当該通報者に弁明の機会を与えなければならない。
7 調査委員会は,認定が終了したときは,直ちに統括管理責任者にその結果を報告する。
8 統括管理責任者は,前項の報告を受けたときは,直ちに最高管理責任者にその結果を報告する。
(調査結果の通知)
第35条 最高管理責任者は,前条第8項の報告を基に,調査結果(認定を含む。以下同じ。)を速やかに通報者及び被通報者(被通報者以外で研究活動における不正行為に関与したと認定された者を含む。以下同じ。)に通知するとともに,当該配分機関等及び文部科学省に通知する。この場合において,被通報者が本学以外の機関に所属しているときは,当該所属機関にも通知するものとする。
2 最高管理責任者は,通報等がなされる前に取り下げられた論文等に係る本調査で,研究活動における不正行為に該当する旨の認定されたときは,研究者等が自ら行った論文等の取り下げなどの善後措置及びその措置をとるに至った経緯・事情等を前項の通知に付すものとする。
3 最高管理責任者は,悪意による通報等と認定された場合において,通報者が本学以外の機関に所属しているときは,当該所属機関にも通知するものとする。
(調査資料の提出)
第36条 最高管理責任者は,本調査が継続中であっても,配分機関等から当該事案に係る資料の提出又は閲覧を求められた場合は,本調査に支障がある等正当な理由があるときを除き,これを拒むことができない。
第8章 調査に係る不服申立て及び再調査の実施
(不服申立て及び再調査)
第37条 研究活動における不正行為に該当する旨の認定が行われた被通報者及び悪意による通報等をしたものとして認定された通報者(被通報者の不服申立てによる再調査の結果,悪意による通報等をしたものと認定された者を含む。以下同じ。)は,第35条第1項に規定する通知を受けた日から起算して14日以内(被通報者の不服申立てによる再調査の結果,悪意による通報等をしたものと認定された者については,第13項に規定する通知を受けた日から起算して14日以内)に研究活動における不正行為の認定に関する不服申立書(別紙第2号様式)により,最高管理責任者に対して不服申立てを行うことができる。ただし,その期間内であっても,同一理由による不服申立てを繰り返し行うことはできない。
2 最高管理責任者は,前項の規定による不服申立てがあった場合は,統括管理責任者,財務担当の理事,産学官・社会連携担当の理事及び総務担当の理事と協議し,当該不服申立てを受理するか否か決定するものとする。この場合において,当該不服申立てを受理することを決定した場合は,当該不服申立ての審査を行うよう統括管理責任者に対し指示するものとする。
3 統括管理責任者は,不服申立ての趣旨,理由等を勘案し,当該事案の再調査を行うか否かを調査委員会の議を経て,速やかに決定する。
4 統括管理責任者は,前項の規定による調査委員会の議にあたり,新たに専門性を要する判断が必要となる場合は,調査委員の交代若しくは追加,又は調査委員会に代えて他の者に審査をさせるものとする。ただし,調査委員会の構成の変更等を行う相当の理由がないと認めるときは,この限りでない。
5 前項の規定による新たな調査委員は,第29条第2項及び第3項に準じて統括管理責任者が指名するものとする。
6 最高管理責任者は,第1項に規定する不服申立てがあった場合,不服申立書(別紙第2号様式)を受領した旨を当該不服申立てを行った者(以下「申立者」という。),当該配分機関等及び文部科学省に通知する。また,申立者が被通報者であるときは通報者,申立者が通報者であるときは被通報者にも通知する。
7 統括管理責任者は,第1項の不服申立てについて,再調査を行うことなく,不服申立てを却下すべきものと決定した場合には,直ちに最高管理責任者に報告し,最高管理責任者は,当該申立者,当該配分機関等及び文部科学省に通知する。また,申立者が被通報者であるときは通報者,申立者が通報者であるときは被通報者に対し,その決定を通知する。この場合において,当該不服申立てが当該事案の引き延ばし又は認定に伴う各措置の先送りを主な目的とすると調査委員会が判断するときは,最高管理責任者は,以後の不服申立てを受け付けないことを併せて通知するものとする。
8 統括管理責任者は,再調査を行う決定をした場合は,直ちに最高管理責任者に報告するとともに,当該申立者及び申立者が被通報者であるときは通報者,申立者が通報者であるときは被通報者に対し,その決定を通知し,最高管理責任者は,当該配分機関等及び文部科学省に通知する。また,統括管理責任者は,当該申立者に対し,先の調査結果を覆すに足る資料の提出等,当該事案の速やかな解決に向けて,再調査に協力することを求めるものとする。
9 統括管理責任者は,前項に規定する場合において,再調査に対し協力が得られない場合にあっては,調査委員会の議を経て,再調査を行わず,審査を打ち切ることができる。その場合には,統括管理責任者は,直ちに最高管理責任者に報告し,最高管理責任者は,当該申立者,当該配分機関等及び文部科学省に通知する。また,申立者が被通報者であるときは通報者,申立者が通報者であるときは被通報者に対し,その決定を通知する。
10 統括管理責任者は,第2項の規定により最高管理責任者から不服申立ての審査を行うよう指示を受けた場合は,その旨を当該通報者に通知し,最高管理責任者は,当該配分機関等及び文部科学省に通知する。不服申立ての却下又は再調査開始の決定をした場合も同様とする。
11 統括管理責任者は,再調査を実施する場合,第23条,第24条,第29条から第36条の規定に準じ,再調査を実施するものとする。
12 統括管理責任者は,再調査を実施した場合は,第15項に規定する場合を除き,再調査開始後50日以内に,調査委員会において先の調査結果を変更するか否かを決定し,その結果を直ちに最高管理責任者に報告する。ただし,50日以内に調査結果を覆すか否かの決定ができない合理的な理由があり,その理由及び決定予定日を付して最高管理責任者に申し出て,その承認を得た場合は,この限りではない。
13 最高管理責任者は,前項の規定による調査結果の報告を受けた場合において,当該結果を被通報者及び通報者に通知するとともに,配分機関等及び文部科学省に通知する。この場合において,被通報者が本学以外の機関に所属しているときは,当該所属機関にも通知する。
14 最高管理責任者は,悪意による通報等をしたものとして認定された通報者から不服申立てがあった場合は,被通報者に通知するとともに,当該配分機関等及び文部科学省に通知する。この場合において,悪意による通報等をしたものとして認定された通報者が本学以外の機関に所属しているときは,当該所属機関にも通知するものとする。
15 統括管理責任者は,前項の申立てに基づき,再調査を実施する場合は,当該申立て後概ね30日以内に調査委員会において再調査を行い,その結果を最高管理責任者に報告する。
16 最高管理責任者は,前項の規定による調査結果の報告を受けた場合において,当該結果を被通報者及び悪意による通報等をしたものとして認定された通報者に通知するとともに,当該配分機関等及び文部科学省に通知する。この場合において,悪意による通報等をしたものとして認定された通報者が本学以外の機関に所属しているときは,当該所属機関にも通知するものとする。
(調査の公正性に関する不服申立て)
第38条 研究活動における不正行為が行われたものと認定された被通報者及び悪意による通報等をしたものとして認定された通報者が,前条に規定する不服申立てを行う場合において,当該申立ての趣旨が,調査委員会の構成等,調査の公正性に係るものであるときは,研究活動における不正行為の認定に関する不服申立書(別紙第2号様式)により,最高管理責任者に対して不服申立てを行うものとする。
2 最高管理責任者は,前項による不服申立てが行われた場合,統括管理責任者,財務担当の理事,産学官・社会連携担当の理事及び総務担当の理事と協議し,当該不服申立てを受理するか否か決定するものとする。この場合において,当該不服申立てを受理することを決定し,当該不服申立ての内容が,調査委員会委員に関するものの場合,当該不服申立ての対象となった調査委員会委員に代えて,他の者を委員とすることができる。
第9章 調査結果の公表等
(調査結果の公表)
第39条 最高管理責任者は,研究活動における不正行為に該当する旨の認定がなされた場合は,原則として速やかに調査結果を公表する。
2 研究活動における不正行為に該当する旨の認定がなされた場合における公表の内容は,研究活動における不正行為に関与した者の氏名・所属,研究活動における不正行為の内容,当該調査結果の公表時までに本学が行った措置の内容,調査委員会委員の氏名・所属,調査の方法・手順等とする。ただし,通報等がなされる前に取り下げられた論文等が,研究活動における不正行為に該当する旨の認定が行われたときは,当該研究活動における不正行為に係る者の氏名・所属を公表しないことができる。
3 最高管理責任者は,研究活動における不正行為に該当しない旨の認定がなされた場合は,原則として調査結果を公表しない。ただし,公表までに調査事案が外部に漏洩していた場合は,調査結果を公表するものとする。
4 前項ただし書きに規定する公表の内容は,研究活動における不正行為には該当しないこと,被通報者の氏名・所属,調査委員会委員の氏名・所属,調査の方法・手順等とする。
5 最高管理責任者は,研究活動における不正行為に該当しない旨の認定がなされた場合で,調査の結果通報等が悪意によるものであることが判明し,悪意による通報等の認定がなされた場合は,通報者の氏名・所属,悪意による通報等と認定した理由,調査委員会委員の氏名・所属,調査の方法・手順等を公表する。
(最終報告書の提出)
第40条 最高管理責任者は,調査結果,不正発生要因,不正に関与した者が関わる当該研究費以外の研究費の管理及び監査体制の状況,再発防止計画等を含む最終報告書を配分機関等及び文部科学省に提出するものとする。
第10章 調査中における一時的措置及び認定後の措置
(調査中における一時的措置)
第41条 最高管理責任者は,調査を行うことを決定したときから調査委員会の調査結果の報告を受けるまでの間,調査の対象となる被通報者の研究費の支出停止等必要な措置を一時的に講じることができる。
2 最高管理責任者は,配分機関等から,被通報者の当該研究費の支出停止等を命ぜられた場合は,配分機関等の指示に従い必要な措置を講じる。
(研究費の使用中止)
第42条 最高管理責任者は,研究活動における不正行為に該当する旨の認定がなされた場合は,研究活動における不正行為に関与した者に対して直ちに当該研究費の使用中止を命ずる。
2 前項に規定するほか,研究活動における不正行為に関与した者と直ちに認定されないが,研究活動における不正行為が認定された論文等の内容について責任を負う者として認定された著者及び研究費の全部又は一部について使用上の責任を負う者として認定された者に対しても,研究活動における不正行為に関与した者と同様に当該研究費の使用中止を命ずる。
(論文等の取り下げ勧告)
第43条 最高管理責任者は,研究活動における不正行為に関与した者として認定された者,研究活動における不正行為が認定された論文等の内容について責任を負う者として認定された著者及び研究費の全部又は一部について使用上の責任を負う者として認定された者(以下「被認定者」という。)に対して研究活動における不正行為と認定された論文等の取り下げ,訂正又はその他の措置を勧告するものとする。
2 被認定者は,前項の勧告を受けた日から起算して14日以内に勧告に応ずるか否かの意思表示を最高管理責任者に行わなければならない。
3 最高管理責任者は,被認定者が第1項の勧告に応じない場合は,その事実を公表する。
(措置の解除等)
第44条 最高管理責任者は,研究活動における不正行為に該当しない旨の認定がなされた場合は,調査の対象とした研究費の支出停止等の措置を速やかに解除するものとする。ただし,証拠保全の措置については,不服申立てがないまま申立期間が経過した後又は不服申立ての審査結果が確定した後,速やかに解除するものとする。
2 最高管理責任者は,研究活動における不正行為に該当しない旨の認定がなされた場合は,当該事案が研究活動における不正行為に該当しない旨を調査関係者に対して周知する。この場合において,当該事案が調査関係者以外に漏洩しているときは,調査関係者以外にも同様に周知する。
3 前2項に規定するもののほか,最高管理責任者は,研究活動における不正行為に該当しない旨認定された者に対して,同人の名誉を回復するために必要な措置及び同人に不利益を生じさせないために必要な措置を講じる。
4 最高管理責任者は,研究活動における不正行為に該当しない旨の認定がなされた場合で,調査を通じて通報が悪意によるものであることが判明し,悪意による通報等の認定がなされた場合,次の各号により対処するものとする。
(1) 通報者が本学に所属する者である場合 学内規程に基づき,懲戒処分,刑事告発等の適切な措置をとり,その結果を公表するものとする。
(2) 通報者が本学以外の機関に所属する者である場合 当該者の所属する機関に対して適切な処置を行うように求めるものとする。
(是正措置等)
第45条 統括管理責任者は,調査の結果,研究活動における不正行為が行われたものと認定した場合は,最高管理責任者に対して速やかに是正及び再発防止のために必要な措置(以下「是正措置等」という。)を講じる必要がある旨の申出を行うものとする。
2 最高管理責任者は,前項の申出に基づき,当該部局の長に対して是正措置等を講じる旨を命ずるとともに,必要に応じて全学的な是正措置等を講じるものとする。
3 部局の長は,前項の命により是正措置等を講じたときは,当該是正措置等の内容を最高管理責任者に報告するものとする。
4 最高管理責任者は,第2項により講じた是正措置等及び前項により報告を受けた是正措置等の内容を当該通報者,当該配分機関等及び文部科学省に対して通知するものとする。
(処分)
第46条 調査の結果,研究活動における不正行為と認定された場合において,当該研究活動における不正行為に関与した者が本学の職員である場合,学長は,当該研究活動における不正行為に関与した者に対して職員就業規則,非常勤職員就業規則,定年前再雇用短時間勤務職員雇用職員就業規則,シニア雇用職員就業規則,特定教職員就業規則その他関係諸規程に従って,処分を課すものとする。
2 各責任者において,管理監督の責任が十分に果たされず,結果として研究活動における不正行為を招いた場合には,前項の規定に準じて取り扱うものとする。
3 最高管理責任者は,前項により処分を課したときは,当該配分機関等及び文部科学省に対して処分内容等を通知する。
(関係機関への通知)
第47条 最高管理責任者は,調査を開始したとき,研究活動における不正行為に該当すると認定されたときその他必要の都度,配分機関等及び文部科学省以外の関係機関に対して当該不正行為の内容,調査結果,是正措置等,処分内容等について通知するものとする。
第11章 秘密保護義務
(秘密保護)
第48条 この規程に定める業務に携わる全ての者は,業務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。当該業務に携わらなくなった後も,同様とする。
第12章 雑則
(情報発信)
第49条 本学は,この規程等を,本学Webサイトに掲載し公表するものとする。
(改廃)
第50条 この規程の改廃は,国立大学法人信州大学教育研究評議会の議を経て,学長が行う。
(雑則)
第51条 この規程に定めるもののほか,この規程の実施に関し必要な事項は,統括管理責任者が別に定める。
附 則
この規程は,平成19年7月19日から施行する。
附 則(平成19年9月28日平成19年度規程第31号)
この規程は,平成19年10月1日から施行する。
附 則(平成20年11月20日平成20年度規程第37号)
この規程は,平成20年11月20日から施行する。
附 則(平成21年9月29日平成21年度規程第21号)
この規程は,平成21年10月1日から施行する。
附 則(平成22年3月18日平成21年度規程第65号)
この規程は,平成22年4月1日から施行する。
附 則(平成22年4月22日平成22年度規程第3号)
この規程は,平成22年4月22日から施行する。ただし,この規程による改正後の別表中エキゾチック・ナノカーボンの創成と応用プロジェクト拠点を加える規定については,平成22年4月1日から施行する。
附 則(平成23年3月29日平成22年度規程第88号)
この規程は,平成23年4月1日から施行する。
附 則(平成24年3月30日平成23年度規程第72号)
この規程は,平成24年4月1日から施行する。
附 則(平成24年3月30日平成23年度規程第73号)
この規程は,平成24年4月1日から施行する。
附 則(平成25年4月1日平成25年度規程第5号)
この規程は,平成25年4月1日から施行する。
附 則(平成25年10月1日平成25年度規程第23号)
この規程は,平成25年10月1日から施行する。
附 則(平成25年11月21日平成25年度規程第32号)
この規程は,平成25年11月21日から施行し,平成25年11月1日から適用する。
附 則(平成26年12月18日平成26年度規程第48号)
この規程は,平成26年12月18日から施行する。
附 則(平成27年3月30日平成26年度規程第7号)
この規程は,平成27年4月1日から施行する。
附 則(平成27年9月17日平成27年度規程第43号)
この規程は,平成27年9月17日から施行する。
附 則(平成29年3月17日平成28年度規程第93号)
この規程は,平成29年3月17日から施行する。ただし,別表の改正規定については,平成28年4月1日から適用する。
附 則(平成29年9月21日平成29年度規程第30号)
この規程は,平成29年9月21日から施行し,平成29年3月17日から適用する。ただし,別表の改正規定については,平成29年4月1日から適用する。
附 則(令和元年6月10日令和元年度規程第7号)
この規程は,令和元年6月10日から施行し,平成31年4月1日から適用する。ただし,総合医理工学研究科に係る改正規定については,平成30年4月1日から適用する。
附 則(令和元年6月17日令和元年度規程第28号)
この規程は,令和元年6月17日から施行し,平成31年4月1日から適用する。
附 則(令和元年9月19日令和元年度規程第89号)
この規程は,令和元年9月19日から施行する。
附 則(令和2年1月31日令和元年度規程第155号)
この規程は,令和2年2月1日から施行する。
附 則(令和2年3月31日令和元年度規程第228号)
この規程は,令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和2年12月16日令和2年度規程第72号)
この規程は,令和2年12月17日から施行する。
附 則(令和4年3月31日令和3年度規程第183号)
この規程は,令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和5年2月28日令和4年度規程第124号)
この規程は,令和5年3月1日から施行する。
附 則(令和5年3月29日令和4年度規程第179号)
この規程は,令和5年4月1日から施行する。
附 則(令和6年3月18日令和5年度規程第102号)
この規程は,令和6年4月1日から施行する。
附 則(令和6年5月28日令和6年度規程第35号)
この規程は,令和6年5月29日から施行し,令和6年4月1日から適用する。ただし,別表のアクア・リジェネレーション機構に係る改正規定については,令和6年3月26日から適用する。
附 則(令和7年3月31日令和6年度規程第253号)
この規程は,令和7年4月1日から施行する。
別表(第2条,第9条及び第10条関係)
部局研究倫理教育責任者研究倫理教育副責任者
アドミニストレーション本部 ※1アドミニストレーション本部長学長府長
人文学部 ※2人文学部長人文学部事務長
教育学部 ※3教育学部長教育学部事務長
経法学部 ※4経法学部長経法学部事務長
理学部 ※5理学部長理学部事務長
医学部 ※6医学部長医学部事務部長又は医学部事務長
医学部附属病院医学部附属病院長医学部附属病院事務部長
工学部 ※7工学部長工学部事務部長又は工学部事務長
農学部 ※8農学部長農学部事務長
繊維学部 ※9繊維学部長繊維学部事務長
アクア・リジェネレーション機構 ※10アクア・リジェネレーション機構長研究推進部長
教育・学生支援機構 ※11教育・学生支援機構長学務部長
学術研究・産学官連携推進機構 ※12学術研究・産学官連携推進機構長研究推進部長
グリーン社会協創機構 ※13グリーン社会協創機構長環境施設部長
情報・DX推進機構 ※14情報・DX推進機構長総務部長
附属図書館附属図書館長附属図書館事務長
総合健康安全センター総合健康安全センター長総合健康安全センター事務室長
グローバル化推進センター ※15グローバル化推進センター長国際部長
総務部総務部長総務課長
※1 アドミニストレーション本部には,学長府を含む。
※2 人文学部には,信州大学学術研究院(以下「学術研究院」という。)人文科学系及び総合人文社会科学研究科(松本キャンパス(経法学部の所掌に属するものを除く。))を含む。
※3 教育学部には,学術研究院教育学系,総合人文社会科学研究科(長野(教育)キャンパス)及び教育学研究科を含む。
※4 経法学部には,学術研究院社会科学系,総合人文社会科学研究科(松本キャンパス(人文学部の所掌に属するものを除く。))及び社会実装研究クラスター社会基盤研究所(他学部の所掌に属するものを除く。)を含む。
※5 理学部には,学術研究院理学系,総合理工学研究科(松本キャンパス),総合医理工学研究科(松本キャンパス(医学部の所掌に属するものを除く。))及び社会実装研究クラスター山岳科学研究所(他学部の所掌に属するものを除く。)を含む。
※6 医学部には,学術研究院医学系及び保健学系,医学系研究科,総合医理工学研究科(松本キャンパス(理学部の所掌に属するものを除く。)) ,社会実装研究クラスターバイオメディカル研究所(他学部の所掌に属するものを除く。),基盤研究支援センター生命科学分野動物実験支援部門,機器分析分野機器分析支援部門及びRI実験分野RI実験支援部門を含む。
※7 工学部には,学術研究院工学系,総合理工学研究科(長野(工学)キャンパス),総合医理工学研究科(長野(工学)キャンパス),社会実装研究クラスター次世代空モビリティシステム研究拠点及び社会実装研究クラスター応用微生物学ルネサンスセンター並びに基盤研究支援センター機器分析分野機器分析支援部門長野(工学)分室を含む。
※8 農学部には,学術研究院農学系,総合理工学研究科(伊那キャンパス),総合医理工学研究科(伊那キャンパス),社会実装研究クラスター山岳科学研究所(他学部の所掌に属するものを除く。)及び社会実装研究クラスターバイオメディカル研究所(他学部の所掌に属するものを除く。)並びに基盤研究支援センター機器分析分野機器分析支援部門伊那分室を含む。
※9 繊維学部には,学術研究院繊維学系,総合理工学研究科(上田キャンパス),総合医理工学研究科(上田キャンパス),社会実装研究クラスター繊維科学研究所及び社会実装研究クラスターバイオメディカル研究所(他学部の所掌に属するものを除く。)並びに基盤研究支援センター生命科学分野遺伝子実験支援部門及び機器分析分野機器分析支援部門上田分室を含む。
※10 アクア・リジェネレーション機構には超学系を含む。
※11 教育・学生支援機構には,学術研究院総合人間科学系並びに全学教育センター,アドミッションセンター,高等教育研究センター,e-Learningセンター,学生相談センター,教職支援センター及び学務部を含む。
※12 学術研究・産学官連携推進機構には,共創研究クラスターの各共創研究所及び研究推進部を含む。
※13 グリーン社会協創機構には,環境マインド推進センター,地域防災減災センター及び環境施設部を含む。
※14 情報・DX推進機構には,情報基盤センター及びDX推進センターを含む。
※15 グローバル化推進センターには,国際部を含む。
別紙第1号様式(第29条関係)
異議申立書

別紙第2号様式(第37条関係)
不服申立書